Abstract
as a cause of the sex difference. Five male and丘ve female runners underwent treadmill running and cycling at a step rate from 150to 200 per minute with a given step length of 800r 100 cm in the former and a given load of O. ’ 5kp in the latter. Measurements of Vo2 and heart・ rate were made in a steady state of each bout of exerClse. At a lower step rate(below l70 steps/min), no difference in step rate− economy relationship was observed between men and women. The economy dropped with decreasing step rate in running , but not in cycling, At a higter step rate(above 180 steps/min), the same sex difference in step rate−economy 1University Of TSttleubO, Doct・雇勘9昭吻 η漉θ〃h and SPorts Sciences, SUIettra− mura, Niihari ’ 8駕η,伽嫐 (305」 2 The乃2良〜η¢α’ional Budo こlniversity, Fa〔7 妙 〔ゾPiり 泥s’αz’Education, 」KatSuπra, Chiba(299 − 52丿 3Universily〔ゾTsu々吻, Master 」F ’ ) ’ ogram in Heal伽nd Physical Mucation, thkura− 〃tura, ノw;ldn ’ − gun,伽励ゴ (305) 4 こノ 》 niversily ρ〆Tsuktt翫a, Instiinte 「 月 「 ealth and SPoηts Scien‘es,5ヒthura・ 〃lura, ハJiihan ’ − gnn, Jbaralei(305丿 N工工一 Eleotronio Library
Japanese Society of Physical Education NII-Electronic Library Service Japanese Sooiety of Physioal Eduoation 92 体育学研究 第32巻 第2号 昭和62年9月 relationship was found in both running and cycling. In men, the drop in economy was observed as step rate increased , but in women, no change was found at any step rate. During cycling , there is little change in center of gravity and movements of hmbs with changing step rate. With this in mind, the results suggest that the sex difference in step rate ・ running economy relationship is due to not running form but other factors. (Masayuki Satake , Yoichi Maekawa, Yukitoshi Aoyagi, Hi Sung Kang and Haruo Ikegami, “ Relationspip between step rate and oxygen uptake during distance running and cycling ” ,ノbp. J.1「h) ,s. Educ.,32 − 2:91 − 97, September,1987) 緒 言 一 定速度で走行する場合,男子長距離走者は常 に走効率(running economy )の高 いピ ッチ(1 分間当たりの歩数) で走 っており , これよりもピ ヅ チを大きくしても小さくしても走効率の低下する ことがCavanagh and WilliamsDやH6gberg9 } に よって報告されている.筆者らは同様の実験を男 子と女子 の長距離走者について行 い, ピ ッチと走 効率 の関係(以下ピ ッチ ・ 走効率関係とする)が 男女で異なることを見出し,先に報告した 13} ,すな わち ,男子 では走効率の高いピ ッチ(経済 ピ ッチ) は180steps/min前後のかなり限局された範囲内 でのみ存在するが ,女子ではピ ッチをかなり広 い 範囲(170 − 220steps/ min) に変化させても走効率 が変化 せず, ほぼ 一 定に保たれる傾向 が認められ た. 走効率には種 々な要因が関与しており ,ラン ニ ングフォ ー ムはその 一 つである.例えぽ ,身体重 心の鉛直方向 への移動量(以下身体重心の上下動 と略す),腕の振りや下肢の動きなどには個人差が 認められるが,これらは走効率に影響を及ぼすと 考えられる. このほかにも,内的仕事量(等尺性 筋収縮,主働筋と拮抗筋の不協応 ,筋や関節部で の摩擦抵抗など)及び筋線維の収縮効率や弾性な ども走効率に関与する因子であると考えられる. したがって先報 13) で見出されたピ ッチ ・ 走効率関 係の男女差がいかなる要因に起因するかを明らか にするためには , これらの関係要因について逐 一 検討しなけれぽならないと考えられる. 走運動の場合には, ピ ッチの変化に伴 ってこれ らの複合した要因 が同時に変わる可能性があると 考えられる.これに対して軽 一 中負荷の自転車運 動ではピ ッチ(1分間当たりのステ ップ数 ,すな わちクランク回転数 ×2)を変えても身体重心の 上下動や上体 の動揺 が小さく ,上肢 の動き はほと んどなく,また下肢の動きもほぼ 一 定である.し たが ってピ ッチと酸素摂取量(Vo、)の関係を走運 動と自転車運動とで比較することによ って,ラン ニングフォ ー ム に関する要因 が上記のピ ッチ ・ 走 効率関係の男女差の原因とな っているかどうかを 検討することができると考えられる. 自転車運動の場合には,機械的効率の最も高い ピッチが存在し,これより ピ ッチを増加させると 機械的効率の低下する ことがSeabury , et al. ’‘) R コ 山岡ら 16) O=よって報告されている.また,山岡ら 16) はピ ッチと▽02の関係を自転車運動とその場かけ 足(stationary running)とについて調査し,両運 動とも ピ ッチの増加に伴 ってVo2は指数関数的に 増大することを示した.しかしこれらの報告は全 て男子について行 ったものであり,女子を対象に したこの種の報告は見当たらない.そこで本研究 では自転車運動におけるピ ッチとVo2の関係を男 女で比較し,さらに走運動の場合と比較すること によって ,身体重心の上下動や四肢の動きなどラ ン ニングフォ ー ムの差がピ ッチ ・ 走効率関係の男 女差に関係しているかどうかを検討することにし た. 方 法 被検者は大学陸上競技部の中長距離走者男女各 5名である.彼等 は4 − 9年の競技歴を有し,走 トレ ー ニソグを十分に積んだと考えられる者であ り,その身体的特性は表1に示す通りであ った. N工工一 Eleotronio Library
Japanese Society of Physical Education NII-Electronic Library Service Japanese Sooiety of Physioal Eduoation 佐竹,他:走運動及び自転車運動におけるピ ッチと酸素摂取量の関係 93 Table l. Physical characteriStics of subjects. Age (yrs) Height (cm) 異贈 t malefemale 21.4±1.0 176.2±1.5 64.2±2,2 20,5±0.9 161.7±3.1 52.7±1.6 運動には走運動(西川社製トレ ッドミル)及び 自転車運動(モナ ー ク社製 エ ルゴメ ー タ)を用い, 走運動では勾配を0%とし , ストライド(歩幅) を80cmまたは100cmのいずれかに固定した.ま た ,自転車運動では負荷を常に0,5KPとした,そ して,いずれの場合にも ピ ッチを150,160,170, 180,190及び200steps/minの6種類とし , これを 図1に示すような手順で行 った.すなわち,5分 間のウオ ー ミγグア ップの後 ,Ex.1 − Ex.3を連 続して行 い,10分の休憩を挿入した後 ,Ex.4 − Ex. 6を同様に行 った.Ex.1 − Ex.6は上記6種類の ピ ッチによる運動であり,その順序は無作為とし た.運動中のピ ッチはメト ロノ ー ム で指示し ,右 大腿からの筋電図を用いて実際のピ ッチを監視し た.また走行中 のス トライドはピ ッチを規定した 上で走速度を変えることによ って調節した.した が って,運動強度はピッチに依存して変化し,ト レ ッドミルの速度は120 − 200m/分の範囲になり, W− uplre5PE 罵.1E 其2E瓢3 (re5t ) E翼.4E 翼.5E 躍,6 0 5 10 15 19 23 33 38 42 46 {min) Fig.1 Exercise. protocol. Ex.1・Ex.6mean the random combination of six kinds of step rate exerclse. 自転車運動では運動強度が225 − 300kpm/分に な った. 各Ex.の終了前2分間に▽(h(ダグラスバ ッグ 法)及び心拍数(双極胸部誘導による心電図法) を測定した.呼気分析には標準ガスで較正した質 量分析器(Perkin Elemer社製1100型)を,そし て呼気量測定には乾式 ガスメー タを用いた. 平均値の有意差検定はす べてt検定で行 い , P〈0。05をもって有意差とした. 結 果 走運動におけるピ ッチと酸素摂取量の関係を図 2に示した.実線はピ ッチとVo2(ml/kg. min) の関係であり,破線はピ ッチと走行距離100m当 たりの酸素摂取量(以下Vo2/100mと略す)との 関係である. ( 三 ξ 旦 二 E 冨 。 》 30 20 ♂ Step Length ●:80cm o:IOO cm 轟 瀬 華 蹊 ゜ 帖 傘 Running < O 吋 、 δ O ヨ ( ヨ一 、 貫 O’ δ O ∋ 〕 22 20 8ー 一 一 一 140 1SO 220 Step Rate(stepslmin) 室 ∈ 640 ぎ ε .墅 30 20 黜評9 0:100cm レ 、6 → 尋 睾 Q 気 一 一 140 100 Step Ro乳霤〔5te卩5’min} く O 障 、 δ 03 ( ヨ P 誉 O’ δ O ヨ 》 2 0 8 2 2 1 0 11 」 ー 一 22 FSg.2 Relations卜ips between step rate and oxygen uptake per minute(solid lines)and between step rate and oxygen uptake per 100 meter run(dashed lines)during constant step length run in nmners. The asterisks denote a signi丘cant change at O.051eve1. N工工一 Eleotronio Library
Japanese Society of Physical Education NII-Electronic Library Service Japanese Sooiety of Physioal Eduoation 94 体育学研究 第32巻 第2号 昭和62年9月 170steps/min以下のピ ッチ(以下低ピッチと略 す)では ,男女とも ピ ッチの減少に伴 ってVo2/100 mの増大傾向がみられた. これに対して180steps/ min以上のピ ッチ(以下高 ピ ッチと略す)では明 らかな男女差が認められ ,男子の場合にはピ ッチ の増加に伴 ってVo2が曲線的な増大傾向を示し , Vo2!100mも増大したのに対して,女子の場合に はピ ッチとVo2が直線的な関係であり , Vo2/100 mはピ ッチに関係なくほぼ 一 定で,かつ男子の最 低値よりさらに低い傾向にあ った. 図3は自転車運動におけるピ ッチと酸素摂取量 の関係を示したものである.実線はピ ッチとVo2 (m1/ min)との関係,破線はピ ッチと仕事量100 kpm当たりの酸素摂取量(以下Vo2/100kpmと 略す)の関係を表している.図中の●は男子,○ は女子のデ ー タであるが ,両者間には明らかな差 が認められた.すなわち ,150steps/minにおける Vo2 は男女ともほぼ同 一 値であ ったが , ピ ッチの 増加に伴 って男子 のVo2は曲線的に ,そして女子 のVo2は直線的な増加を示した.その結果 ,男子 のVo2はピ ッチが高いほど女子のそれより大き い 傾向にあ った.Vo2!100kpmを男女で比較する と ,男子ではピ ッチの増加に伴って増大するのに 対して ,女子ではピ ッチに関係なく ほぼ 一 定で あ った. ピ ッチと▽02の関係を走運動(図2)と自転車 運動(図3)で比較すると次のようになる.女子 の場合には高 ピ ッチ域では両運動ともピ ッチと Vo2の関係が直線的であった,また , Vo2/100m及 びVo2/100kpmはピ ッチを変えてもほとんど変 化が認められなかった. このことから,ピッチの 変化に対するVOzの変化率は両運動でほぼ等しい ことがわかる.これに対して男子の場合には, ピ ッ チと▽02の関係が曲線的であ った.そこで高 ピ ッ チの場合について,Vo2を片対数にとってピ ッチ との関係をグラフ上に表すと,図4の実線に示す ようにいずれの運動でも ピ ッチとVo2の関係が直 線的となり ,それぞれの直線 は平行関係にな った. 山岡ら 161 が算出した,その場かけ足及び自転車運 動におけるピ ッチ(X)とVo2(Y)の回帰式Y = a ・ b 「 に当てはめて,図4実線に示したVo2のピ ッ 1600 窒 ≡ 昌 ,,。。 9 800 Cycting ●:rnoleo ; 畳; 畳 ↓ ? ・ 亭 聾 骨 ヱ ノ で コ ー ▼ を 一 魎 T ρ ム エ ノ ’ } 《 ON き O 否 艮 3 冖 二 8 百 邑 oo oo 5 4 一 140 1ao 220 S亀ep Rate‘steps’min) Fig.3 Relationships between step rate and oxy− gen uptake per minute (solid lines)and between step rate and oxygen uptake per 100KPM cycling (dashed line) during constant load (0.5KP) CyCling in runners. 5000 E コ i2 亳’ ) 1000 500 300 ●:CycIing △:Running〔step length eOcm} ロ:Running(step tengthlOOcm} 罅ダ / ,●一一 一●r「 d 150 170 勘0 2沿 5竃●pROI ●{5亀OP5’min) Fig.4 Relationships between step rate and oxy・ gen uptake during running ( 囗△) and cycling (●)in male runners. This丘gure is shown in a semilogalithmic expression. チに対する回帰式を求めると ,表2に示すように 高い相関関係でよく 一 致することがわかった.方 向係数であるbについてみると ,1.009(自転車運 動),LOO8(ストライド80cmの走運動)及び 1.010( ストライド100cmの走運動)であり ,3本 の直線とも極めて近似している. このことから , ピ ッチの変化に対するVo2の変化率は両運動でほ ぼ等しいことがわかる. 一 方 ,低 ピ ッチの場合をみると ,女子では自転 N工工一 Eleotronio Library
Japanese Society of Physical Education NII-Electronic Library Service Japanese Soolety of Physloal Eduoatlon 佐竹,他:走運動及び自転車運動におけるピ ッチと酸素摂取tの関係 95 Tab苴e 2. Relationship between step rate (x: steps/min)and oxygen uptake(y:〃mln)dur ・ ing ning and cycling wi血higher step rate (170 − 200steps/min). y = a.bx a b r Running (step length 80cm) Running (step length 10(iCm) Cycling 0.399 1.008 0.998 0.382 1.010 0,998 0.213 1,009 0、962 車運動におけるピ ッチとVo2の関係が ,図3に示 すように高 ピ ッチの場合と同 一 勾配の直線で示さ れ , ピ ッチの減少 に伴 ってVo2 は低下する傾向に あ った. これに対して走運動では(図2),150 steps/minの場合のVo2が,それ以外のピ ッチに おけるピ ッチ ・ Vo2の直線関係から外れて増大傾 向を示した.男子の場合には,図2及び図3に示 すようにピ ッチとVo2の関係がいずれの運動でも 曲線的であり,高ピッチ域と同様 に片対数 グラフ に表すと図4の破線のようにな った.走運動では ピ ッチが変わ ってもVo2はほとんど不変である. したがって高ピ ッチと低ピ ッチでは直線の勾配が 明らかに異なる.これに対して自転車運動では(同 図の最も下の直線) ,低ピ ッチの場合も高 ピ ッチの 場合と勾配が等しく, ピ ッチの減少に伴 ってVo2 は減少する傾向にあり,走運動との間には明らか な差が認められた. 考 察 筆者ら 13) は,走運動におけるピ ッチとVo2/100 mの関係が男女で異な っていることを先に報告 した.すなわち男子では特定の経済的なピッチが 存在し , このピ ッチ以外で走るとVo2/100mが増 大するのに対して,女子 の場合にはピ ッチを広 い 範囲(170 − 220steps/min)で変化させてもVo ,/ 100mが 一 定に保たれる傾向のあることが認めら れた.さらに今回の自転車運動の場合でもピ ッチ とVo2/100kpmの関係に明らかな男女差を認め た.すなわち男子 の場合にはSeabury, et a1. 14) , 山岡ら 16} の研究と同様,ピ ッチの増加に伴 って Vo2/100kpmが増大したのに対して ,女子では ピ ッチに関係なくVo2/100kpmが常に 一 定で あ った. 男子におけるピ ッチとVo2の関係 は曲線的であ る.ピ ッチに対するVo2の変化率をさらに検討す るために, ピ ッチ(X)とVo2(Y)の回帰式を高 ピッチ域について求めた結果,走運動及び自転車 運動ともにY ニ a ・ bXの式で表すことができ,変化 率を表す方向係数bの値はいずれの運動におい ても近似していた. これらの関係は山岡ら 16) が自 転車運動とその場かけ足について求めたものと 一 致している.彼等は,大筋活動における筋収縮速 度と エ ネルギ ー 需要量の関係は上記の回帰式で表 すことができ,bの値は約1.02であると述 べ てい るが,本研究の結果はこの見解を支持するもので ある. 以上のことから,男子の高ピ ッチ運動時にVo2/ 100m及びVo2/100kpmの増大を引き起こす主要 因は走運動と自転車運動で共通するものと考えら れ , ピ ッチ ・ 走効率関係の男女差もこれらの要因 に起因している可能性が考えられる.したが って , 身体重心の上下動,腕 の振り ,あるいは下肢の動 きなどラン ニ ングフォ ー ムに関連する因子は, ピッチ ・ 走効率関係 の男女差の原因としては除外 でぎるものと考えられる. 本研究では,高 ピ ッチ自転車運動時 のVo2/100 kpm増大傾向が男子全員に認められたが ,先行研 究では男子でも本研究の女子の場合と同様に Vo2/100kpm増大の認められない例が報告され ている.Faria4 ) の研究によれぽ ,自転車競技選手 は120 − 260steps/minのピ ッチ範囲内では自転車 運動の機械的効率がほぼ 一 定であるという.Hag・ berg, et al. s} やMerrill and Whitei ’) も同様の結果 を報告し,この理由として自転車競技選手の練習 や レー スが高 ピ ッチ(180 − 195steps/min)である ことが ,高 ピ ッチ時 の機械的効率の向上に貢献し ていると考察している. 本研究の女子被検者は,自転車練習を特に行 っ ているということはなか った,また ,筆者らは走 トレー ニ ングを特に行なっていない女子卓球選手 及び女子水泳選手 の場合でも走行時 のピ ッチ変化 N工工一 Eleotronlo Llbrary
Japanese Society of Physical Education NII-Electronic Library Service Japanese Soolety of Physloal Eduoatlon 96 体育学研究 第32巻 第2号 昭和62年9月 が走効率をほとんど変化させないことを認め,先 報 131 において報告した.したがって先回と今回の 実験 において認められたピ ッチ ・ 走効率関係の男 女差がトレ ー ニングの結果生じたものであるとは 考え難い. また ,加賀谷 10) はスキップ動作の筋放電様式を 男女で比較 し ,筋に対するイソパルス発射の時間 的 ・ 量的調節は女子のほうが優れていると述 べて いる.すなわち, スキ ップ動作 は長短 のリズムを もつ左右交互の脚運動であり ,左右の腓腹筋 への 長短 ・ 強弱のインパルス放出が筋電図から認めら れる.女子では長短 の時間的調節 が整い , しかも 一 定の比率をもった強弱のインパルスが左右交互 に送られたのに対して,男子のインパルス発射様 式 は長短 。 強弱に調節されていなかった.このこ とから考えると ,高 ピ ッチの運動においても ,筋 収縮様式の調節は女子のほう が優れていると いう ことも考えられる. Suzukii5 ) は,速筋線維(以下FTと略す)の多 い者では高ピッチ(200steps/min)の自転車運動 でも機械的効率が低下しないことを報告してい る. この理由として,速い速度での収縮効率が高 いFTにとって,ピッチの増加は最適収縮速度に 近 づく ことになるためであると考察している.し かし本研究の被検者は男女とも中長距離走者であ り,Costill , et al. 2)3} tCよる研究では中距離走者の FTは約40%であり,男女差がな いとされている. また ,Gaesser and Brooks5 〕 は ,比較的効率の低 いFTの動員がピ ッチの増加に伴って選択的に増 加するようなことがあれば ,消費 エ ネルギ ー 量は 増大すると述 べている.しかし ,Gollnick et al. 7} 」 P Piehli2 ) の先行研究によれば ,最大下運動では 負荷及び筋収縮速度に関係なく遅筋線維(ST)が 優先的に動員され ,そしてこれらの線維が疲労す ると二次的にFTが動員されると言われている. さらec Hagberg , et al. s) は , FTの動員が増えても それほど明らかには消費 エ ネルギ ー 量を変えない と考察している.以上のことから,本研究のピ ッ チ ・ 走効率関係の男女差を筋線維組成の面から説 明することには無理があると考えられる, そのほかに ,筋の粘弾性などの力学的特性や下 肢の形態 ,特に振り子としての固有周期などが ピ ッチ ・ 走効率関係の男女差の原因とな っている 可能性が考えられる.しかし , これらの要因がど の程度走効率に影響を及ぼすのか ,あるいはその 男女差の有無などに関しては詳細な研究がなく , その検討 は今後 の課題である. 一 方 ,低ピ ッチの走運動では男女ともVo2/100 mの増大が認められた.低ピ ヅチで走ると身体重 心の上下動が大ぎくなる可能性があり , これが低 ピ ッチ域でのVo2/100m増大の原因のひとつと して考えられる.自転車運動では低ピ ッチであっ ても身体重心の上下動が少ない.今回の実験にお いても自転車運動の場合には低 ピ ッチ域のVo2/ 100kpmは男女とも増大しなか った. これらのこ とは,低 ピ ッ チ走行時にVo21100mが増加した原 因として身体重心の上下動の増大が関与している ことを示唆している。 低 ピ ッチ走運動時にVo2/100mの増大したそ の他の原因として ,走運動における下肢の振子運 動が関与している可能性 が考えられる.すなわち , 低 ピ ッチで走ることは下肢を固有周期よりも遅い 周期で動かすことになるため,下肢 のモ ー メント に制動をかけることになり,余分な エ ネルギ ー が 使われると考えられるからである. 要 約 走運動ではピ ッチ ・ 走効率関係に明らかな男女 差が認められる.本研究では,この男女差が走行 時の身体重心の上下動,腕振り及び下肢の動きな どラン ニングフォ ー ムに関する要因の差に起因し ているか否かを検討するために ,上記の要因の個 人差が少ないと考えられる自動車運動について ピ ッチとVo2の関係を調 べ,走運動の場合と比較 した.そして次のような結果を得た. (1)170steps/min以下の低 ピ ッチの場合には , ピ ッチと酸素摂取量の関係が自転車運動と走運動 で異な った傾向を示した.走運動ではピ ッチの減 少に伴ってVo2/100mの増大傾向が見られたが 自転車運動ではVo2/100kpmは低 ピ ッチでも増 大しなかった.そして , いずれの運動 においても それらの傾向に男女差は認められなか った. N工工一 Eleotronlo Llbrary
Japanese Society of Physical Education NII-Electronic Library Service Japanese Sooiety of Physioal Eduoation 佐竹,他:走運動及び自転車運動におけるピ ッチと酸素摂取量の関係 97 (2)180steps/min以上の高 ピ ヅチの場合には , 走運動で認められたピ ッチ・ 酸素摂取量関係の男 女差が ,自転車運動でも同様に認められた.すな わち , ピ ッチの増加に対して男子ではVo2/100m 及びVo2/100kpmが増大するのに対して女子で はそれらが常に 一 定であ った. (3)以上のことから身体重心の上下動や四肢の 動きなどのラン ニソグフォ ー ムに関する要因は, 低 ピ ッチ域での走効率低下の原因である可能性は 大きいが ,高 ピ ッチ域におけるピ ッチ・ 走効率関 係の男女差の主要原因とは考えられない. 本報告の要旨は第37回日本体育学会(筑波大学)におい て報告した. 引用 ・ 参考文献 1)Cavanagh, P,R. and Williams, KR., “ The effect of stride length variation on oxygen uptake during distance running, ” Med, Sci. Sports Exerc.,14:30 − 35,1982. 2)Costi11, D,L, Daniels, J., Evans, W., Fink, W., Kra・ henbuh1, G. and Saltin, B, “ Sketetal muscle enzymes and丘ber composition in male and female track ath− 1etes, ” J. Appl, PhysioL,40:149 − 54 ,1976. 3)Costi11, D.L, Fink, W. and Po]lock, M.L, “ Muscle fiber composition and energy activities of elite dis・ tance runners, ” Med. Sci. Sports,8:96 − 100,1976. 4)Faria ,1., Sjojaard , G. and Bonde−Peterson, F., 樋 Oxy・ gen cost during different pedalhng speeds for constant power output, ” J. Sports Med.,22;295 − 99,1982. 5)Gaesser, G.A, and Brooks, G.A., “ Muscular e伍¢iency during steady− rate exercise : Effects of speed and work rate, ” J. App1, PhysioL,38:1132 − 39, 1975, 6)Goldspink, G, “ Energy turnover dllring contraction of different type of muscle, ” in Asmussen, E. and Jorgensen, K.(Eds.}, Biomechanics, VI・A. Univ, Park Press:Baltimore, MD.,1978. pp.27 − 39. 7)Gollnick, PD,, Pieh1, K. and Saltin. B− L」 Selective Glycogen depletion pattern in hurnan muscle fibers after exercise of varying intensity and at varying Pedal]ing rates , ” J. Physiol.(London),241:45 − 57, 1974. 8)Hagberg , J.H., Mullin, J.P., Giese, M.D, and Spjtz− nagel, E., ” Effect of pedaling rate on submaximal exercise responses of competitive cyclists∴J. AppL Physiol, Respirat. Environ. Exercise Physiol.,51:447 − 5L 1981. 9)H6gberg, P., ’LHow do stride length and stride frequency influence the energy 〔 〕utput during run・ ning?Arbeitsphysiol,,14:437 − 41,1952. 10)加賀谷淳子, 「 身体運動と女性一宮下充正 ・ 石井喜八 (編),新訂運動生理学概論,ig 4版,大修館書店,1986. pp.263 − 76. 11)Merril1, E.G. and White, J.A., °‘ Physiological e伍ciency of constant power output at va 巧 ・ ing pedal rates∴J. Sports Sci,,2:25 − 34,1984. 12)Piehl, K., “ Glycogen storage and depletion in human skeletal muscle fibres, ” Acta Physiol.
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Description
Examines step rate and oxygen uptake in running and cycling.