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article 2018 12 pages

Relationship between longitudinal changes in step parameters and running economy in well-trained distance runners

Fumiya Tanji, Yoshiharu Nabekura

Journal
Japan Journal of Physical Education, Health and Sport Sciences
Population
well-trained distance runners

Abstract

to coaching. A total of 29 male university students training in distance running (age, 19.4 ± 1.0 yr; height, 171.3 ± 4.5 cm; body weight, 57.1 ± 3.6 kg) participated in the study. Participants performed multistage incremental treadmill tests to measure step parameters (ground contact time: CT; step length: SL; step frequency: SF; leg stiffness: k leg) and RE before and after 4 months of training. Since the LT speed of participants was 16.6 ± 1.1 km・h −1 , intensities below, near, and above the LT were set at 13.8 and 15.0 km・h −1 , 16.2 km・h −1 , and 17.4 and 18.6 km・h −1 , respectively. No significant relationships were observed between changes in RE and any of the step parameters at intensities below and near the LT. Moreover, although no signifi - cant relationship was noted between changes in RE and both SL and SF, there was a significant positive and nega- tive relationship between changes in RE and CT and k leg, respectively, at intensities above the LT. Changes in k leg showed a strong negative correlation with CT changes at each intensity. It can be concluded from these findings that shortening the CT improves the RE for high-intensity running and that this variation is partly attributable to the improvement in k leg. Key words : ground contact time, step length, step frequency, running economy,

above the LT. Changes in k leg showed a strong negative correlation with CT changes at each intensity. It can be concluded from these findings that shortening the CT improves the RE for high-intensity running and that this variation is partly attributable to the improvement in k leg. Key words : ground contact time, step length, step frequency, running economy, leg stiffness キーワード: æŽ¥åœ°æ™‚é–“ï¼Œã‚¹ãƒ†ãƒƒãƒ—é•·ï¼Œã‚¹ãƒ†ãƒƒãƒ—é »åº¦ï¼Œãƒ©ãƒ³ãƒ‹ãƒ³ã‚°ã‚¨ã‚³ãƒŽãƒŸãƒ¼ï¼Œè„šã‚¹ãƒ†ã‚£ãƒ•ãƒã‚¹ Fumiya Tanji 1 and Yoshiharu Nabekura 2 : Relationship between longitudinal changes in step parameters and run- ning economy in well-trained distance runners. Japan J. Phys. Educ. Hlth. Sport Sci. I 緒 言 中長距離走パフォーマンスは生理学的変数で ã‚ã‚‹æœ€å¤§é…¸ç´ æ‘‚å–é‡ï¼ˆmaximal oxygen uptake: V 4 O- 2max) と走の経済性( running economy: RE)によ って推定でき( Ingham et al., 2008),とりわけ競 技レベルが高まるにつれて REの優劣が走パフ ォーマンスを決定する( Conley and Krahenbuhl, 1980; Morgan et al., 1989). REはあるスピードを 走行するために必要なエネルギーを評価する変 数であり,そのエネルギーが小さいと REに優 れていると言え,一般に乳酸性代謝閾値( lactate threshold: LT)を超えない強度において評価され てきた.しかし近年, LTを超えない強度におけ ã‚‹REに比べて LTを超える強度における REは ã‚ˆã‚Šèµ°ãƒ‘ãƒ•ã‚©ãƒ¼ãƒžãƒ³ã‚¹ã¨ã®é–¢é€£ãŒå¼·ããªã‚‹ã¨å ±å‘Š され,LT を超える強度における REの重要性が 主張されている(Tanji et al., 2017). REã¯æ§˜ã€…ãªè¦å› ã«ã‚ˆã£ã¦å„ªåŠ£ãŒæ±ºå®šã—ï¼ˆ An - derson, 1996),その 1つにバイオメカニクス的要 å› ãŒã‚ã’ã‚‰ã‚Œã‚‹ï¼Žä¾‹ãˆã°ï¼Œ Williams and Cavanagh (1987)は LTを超えない強度における REの個人 差の54%を説明できることを示している.同様 ä½“è‚²å­¦ç ”ç©¶ã€€ 63:583-594,2018

584丹治・鍋倉 に丹治ほか( 2016)は,LT を超える強度におけ るREの個人差 80.6%をバイオメカニクス的要因 によって説明できることを報告している.これら のことから,バイオメカニクス的要因が改善した とき,RE は向上し,その結果走パフォーマンス は向上すると推測できる. バイオメカニクス的要因の中でもステップ変 数は比較的簡易に評価でき, REとの間に関連が 認められている.優れた REに関連するステップ 変数として,短い接地時間( ground contact time: CT; Anderson, 1996; Hayes and Caplan, 2012; Santos- Concejero et al., 2013, 2014)や短いステップ長 (step length: SL; de Ruiter et al., 2014; Tartaruga et al., 2012),高いステップ頻度( step frequency: SF; Cavanagh and Williams, 1982; Tartaruga et al., 2012) が示されている.したがって,トレーニングなど によって同一の走スピードにおける走行中の CT およびSLが短く, SFが高くなれば REは向上す ると推測できる.しかしながら,ステップ変数と REの縦断的変化の関係については一致した見解 が得られていない. 例えば, CTの短縮によって REは向上したと する報告( Paavolainen et al., 1999)がある一方, その関連を認めなかった報告( Millet et al., 2002; Spurrs et al., 2003)も存在する.同様に SLおよ びSFの縦断的変化の関係について示した研究は, 我々の知る限り,即時的に SFを増加させ, SLを 減少させたことによって REが向上したことを認 めたde Ruiter et al.(2014)のみであり,長期的 なトレーニングによる SLおよびSFとREの縦断 的変化の関係について明らかにした研究は見当た らない.さらに,これらの縦断的変化の関係はこ れまで, LTを超えない強度において検討されて いるものの, LTを超える強度においては検討さ れていない.走動作は走スピードの増大に伴って 変化するため( Kyröläinen et al., 2001),運動強度 によって REとの関係も異なる可能性がある.ま た,これらのステップ変数は接地局面の骨格筋系 全体の硬さを示す脚スティフネス( leg stiffness: k leg)と関連する( Cavagna et al., 1997).例えば, 優れたk legは短いCTや高いSFに関連すると報 告されており( Farley and González, 1996; Farley and Morgenroth, 1999),それらの縦断的変化の関 係を明らかにすることで, REを向上させるトレ ーニング指針を検討できるだろう. 以上のことから本研究は, 専門的にトレーニ ングを行なっている中長距離ランナーを対象に, LTを超えない強度から LTを超える強度における ステップ変数と REの縦断的変化の関係を明らか にし,現場への知見を得ることを目的とした.本 研究の仮説として, 1)ステップ変数と REの縦 断的変化の関係にはすべての運動強度において関 連が認められ, 2)とりわけ LTを超える強度に おいてその関連が強くなり, 3)ステップ変数の 変化には k legの変化が影響しているとした. II 方 法 1. 被験者 本研究は,陸上競技中長距離走種目を専門にト レーニングしている男子大学生ランナー 29名( 年 齢:19.4 ±1.0歳,身長:171.3 ±4.5 cm,体重: 57.1±3.6 kg)を被験者とした.被験者の 1,500 m 走または 5,000 m走のシーズン最高記録を国際陸 上競技連盟が発行する IAAF Score(Spiriev, 2017) にて得点化したとき,平均値は 810.3±90.8 points であった.実験を開始するにあたり,すべての被 験者に本研究の目的,方法および実験の危険性に ついて,口頭および紙面において説明し,実験に 参加する同意を得た.なお,本研究の方法は筑波 大学人間総合科学研究科体育系研究倫理委員会の 承認を得て行なわれた(課題番号:26-65). 2. 実験デザイン ステップ変数と生理学的変数の縦断的変化の関 係を明らかにするために, 4か月のトレーニング 期間を挟み 2回(12 月と3月)の多段階漸増負 荷走行テストを実施した.実験は室内の傾斜 1% に設定されたトレッドミル( ORK-7000,大竹ル ート工業)上において行なった.室温によって生 理学的応答が異なることを考慮し,実験室内の温 度をエアコンによって 23―26 ℃に調節し,また

585ステップ変数と走の経済性の変化 実験室の窓を開け,自然換気を行なうことによっ て常に室内の酸素および二酸化炭素濃度を一定に 保った.なお,トレーニング期間に介入は行なわ ず,それぞれの選手には競技パフォーマンス向上 のための専門的なトレーニングを実施させた. 多段階漸増負荷走行テストの第 1ステージの 走スピードは, 被験者の専門種目の記録を考慮し て12.6または13.8 km・h -1 とし,1 ステージごと に1.2 km・h -1 走スピードを漸増させ,それぞれ 3 分間の走行をさせた.トレッドミルのスピード はデジタルタコメーター( EE-1B,日本電産シン ポ社)を用いて,本来のスピードの± 0.05 km・h -1 未満の誤差になるようにステージごとに調整され た.各ステージの間に血液採取およびトレッドミ ルのスピード調整のために 2分の休息をとらせ, 6ステージ実施させた. 6ステージ終了後, 5分 間安静にさせ,その後疲労困憊にいたるまで 1分 ごとに0.6 km・h -1 走スピードを漸増させながら連 続的に走行させた.疲労困憊は, 1)RER が1.15 以上,2)心拍数が年齢から推定される最大心拍 数(220- 年齢)に達している, 3)血中乳酸濃度 (blood lactate concentration: bLa)が 8.00 mmol・L -1 以上のうち,いずれか 2つを満たしている場合と した(Fletcher et al., 2009). 酸素摂取量( oxygen uptake: V 4 O 2),二酸化炭素 排出量( carbon dioxide production: V 4 CO 2)および 換気量は,自動呼気ガス分析器( AE310-S,ミナ ト医科学社)の EXPモードを用いて走行中連続 的に分析した.呼気ガス分析器は実験前後に校 正ガス(大気相当: O 2 20.90%,CO 2 0.03%,N 2 Balanceおよび呼気相当: O 2 15.00%,CO 2 5.00%, N 2 Balance)によって,熱線流量計は実験前に流 量校正器( 2L)によってそれぞれ校正した.テ スト開始前,各ステージ走行直後および疲労困 憊1分,3 分および 5分後に検者が被験者の指先 から血液を採取し,血中乳酸濃度分析器( 1500 SPORT lactate analyzer, YSI)によって bLaを分析 した.心拍数はハートレートモニタ(S610i, Polar Electro Japanによって連続的に測定した.ステッ プ変数を評価するためにトレッドミルの進行方向 の左側1.5 mの位置に,光軸がトレッドミルの進 行方向に対して垂直になるようにハイスピードカ メラ(EX-FC300S,CASIO 社)を設置した. RE を評価するための呼気ガス変数である V 4 O 2およ び呼吸交換比(respiratory exchange ratio: RER)は 多段階漸増負荷走行テストの各走スピード走行終 了前1分間の平均を用い,これに対応させるため にステップ変数は走行終了前 15秒間の撮影によ って算出し,このとき 240 fpsによって撮影した. 3. 算出項目および算出方法 多段階漸増負荷走行テストにおいて連続する 1 分間のV 4 O 2の最高値を V 4 O 2maxとして採用した. V 4 O 2max時の走スピード(speed at V 4 O 2max:sV 4 O- 2max)は多段階漸増負荷走行テストにおける各走 スピードの V 4 O 2によって, V 4 O 2-走スピード回帰 直線を求め, V 4 O 2maxを外挿することで算出され た.この時,各走スピードの V 4 O 2は各ステージ 走行終了前 1分間のV 4 O 2とした. LT時の走スピ ード(speed at LT: sLT)は,多段階漸増負荷テス トにおける各走スピードに対する bLa(走スピ ード-bLa)に対して残差が最小となる 2本の直 線回帰の交差する点とし, lactate analysis software (Lactate-E ver.2)によって算出された( Newell et al., 2007).この算出方法は,血中に乳酸が蓄積さ れることによって出現するベースラインからのブ レーク地点を正確に評価できるモデルであるとさ れている( Lundberg et al., 1986). LTはsV 4 O 2max に対する sLTの強度として算出された. REおよびステップ変数は,すべての被験者が 共通して走行した 13.8,15.0,16.2,17.4 および 18.6 km・h -1 のうち, 12月時点での被験者の sLT が16.6±1.1 km・h -1 であったことから(Table 1), 13.8および15.0 km・h -1 をLTを超えない強度(そ れぞれ83.7±5.9 %LT強度および 91.0±6.4 %LT 強度), 16.2 km・h -1 をLT付近強度( 98.3±6.9 %LT強度)そして 17.4 および18.6 km・h -1 をLT を超える強度 (それぞれ 105.6±7.4%LT強度およ び112.9±7.9%LT強度)とした. REはそれぞれ の走スピードの V 4 O 2,RERおよび血中乳酸蓄積 量によって, Tanji et al.(2017)の式を用いて 1 km走行当たりのコスト( kcal・kg -1 ・km -1 )として

586丹治・鍋倉 算出した.ステップ変数は, CT,滞空時間(flight time: FT), SL,SF およびk legを評価した. CTは 連続する 8ステップ( 4ストライド)の各ステッ プにおけるトレッドミルに被験者の足が接地して いるフレーム数を QuickTime Player 7(Apple Inc) を用いて目視から求め,それらの平均値から時 間(sec)を算出した. SF(Hz)は 1ステップ目 の接地から連続する 9ステップ目の接地までのフ レーム数から時間( sec)を求め, 1ステップ当た りの平均時間の逆数によって算出した. SL(m) はデジタルタコメーターによって測定されたト レッドミルのスピードから SFを除すことによっ て算出した. FTはSFの逆数から CTを減算する ことによって算出した. k leg(kN・m -1 )はMorin et al.(2011)の方法を用いて,最大鉛直地面反力 (Fz max)に対する下肢最大変位( ΔL)によって算 出した.それぞれの算出式は以下の通りである. Table 1. Mean (±SD) changes ratio in mass, physiological variables and step parameters. December March Change (%) Effect size Body weight kg 57.1 ± 3.6 57.9 ± 3.8 1.4 ± 1.3 0.22 V 4 O 2max mL・kg −1 ・min −1 70.7 ± 6.1 68.7 ± 5.5 -2.4 ± 7.2 0.33 sV 4 O 2max km・h −1 19.9 ± 1.1 19.6 ± 0.9 -1.0 ± 4.4 0.23 sLT km・h −1 16.6 ± 1.1 16.7 ± 1.0 1.3 ± 5.1 0.17 LT %V 4 O 2max 83.5 ± 4.9 85.4 ± 4.8 2.5 ± 6.7 0.39 RE13.8 kcal・kg −1 ・km −1 1.03 ± 0.05 1.03 ± 0.06 0.0 ± 5.4 0.02 RE15.0 1.05 ± 0.05 1.05 ± 0.05 -0.1 ± 4.8 0.05 RE16.2 1.07 ± 0.05 1.07 ± 0.06 0.0 ± 5.6 0.01 RE17.4 1.09 ± 0.05 1.09 ± 0.07 -0.3 ± 6.6 0.08 RE18.6 1.11 ± 0.06 1.10 ± 0.07 -0.5 ± 6.7 0.11 CT13.8 sec 0.217 ± 0.0130.217 ± 0.012 -0.1 ± 3.0 0.03 CT15.0 0.208 ± 0.0110.207 ± 0.011 -0.4 ± 3.0 0.10 CT16.2 0.197 ± 0.0110.197 ± 0.010 0.2 ± 2.7 0.02 CT17.4 0.189 ± 0.0100.189 ± 0.010 -0.1 ± 2.1 0.02 CT18.6 0.181 ± 0.0100.181 ± 0.009 0.0 ± 2.6 0.02 FT13.8 sec 0.122 ± 0.0140.118 ± 0.010 -2.0 ± 11.2 0.28 FT15.0 0.126 ± 0.0120.124 ± 0.010 -1.6 ± 8.2 0.22 FT16.2 0.132 ± 0.0130.129 ± 0.010 -1.9 ± 8.4 0.25 FT17.4 0.135 ± 0.0130.132 ± 0.012 -1.7 ± 5.7 0.21 FT18.6 0.137 ± 0.0150.135 ± 0.012 -1.4 ± 6.1 0.17 SL13.8 m 1.30 ± 0.05 1.29 ± 0.05 -1.1 ± 3.2 0.30 SL15.0 1.39 ± 0.05 1.38 ± 0.05 -1.0 ± 2.8 0.29 SL16.2 1.48 ± 0.06 1.47 ± 0.05 -0.8 ± 2.8 0.25 SL17.4 1.56 ± 0.07 1.55 ± 0.06 -0.8 ± 2.0 0.21 SL18.6 1.65 ± 0.07

0.21 FT18.6 0.137 ± 0.0150.135 ± 0.012 -1.4 ± 6.1 0.17 SL13.8 m 1.30 ± 0.05 1.29 ± 0.05 -1.1 ± 3.2 0.30 SL15.0 1.39 ± 0.05 1.38 ± 0.05 -1.0 ± 2.8 0.29 SL16.2 1.48 ± 0.06 1.47 ± 0.05 -0.8 ± 2.8 0.25 SL17.4 1.56 ± 0.07 1.55 ± 0.06 -0.8 ± 2.0 0.21 SL18.6 1.65 ± 0.07 1.63 ± 0.07 -0.7 ± 1.9 0.18 SF13.8 Hz 2.95 ± 0.12 2.99 ± 0.11 1.2 ± 3.4 0.29 SF15.0 3.00 ± 0.11 3.03 ± 0.12 1.1 ± 2.9 0.28 SF16.2 3.04 ± 0.12 3.07 ± 0.12 0.9 ± 2.8 0.24 SF17.4 3.10 ± 0.13 3.12 ± 0.12 0.9 ± 2.0 0.20 SF18.6 3.14 ± 0.14 3.17 ± 0.13 0.8 ± 2.0 0.17 k leg13.8 kN・kg −1 8.74 ± 1.21 8.85 ± 1.06 1.8 ± 7.8 0.10 k leg15.0 8.64 ± 1.33 8.81 ± 1.14 2.6 ± 7.6 0.14 k leg16.2 8.74 ± 1.23 8.86 ± 1.09 0.9 ± 7.9 0.11 k leg17.4 8.69 ± 1.28 8.79 ± 1.17 1.5 ± 6.0 0.08 k leg18.6 8.67 ± 1.42 8.74 ± 1.20 1.5 ± 7.3 0.06 † V 4 O 2max, maximal oxygen uptake; sV 4 O 2max, speed of maximal oxygen uptake; sLT, speed of lactate threshold; LT, lactate threshold; RE, running economy; CT, ground contact time; FT, fight time; SL, step length; SF, step frequency; k leg, leg stiffness.

587ステップ変数と走の経済性の変化 このとき, mは体重(kg), gは重力加速度(9.8 m・s -2 ),LはWinter(1979)のモデル式によって 算出された下肢長( m),vは走スピード( m・s -1 ) である.また, Δzは接地中の身体重心の最大変 位(m)であり,算出式は以下の通りである. るために, Pearsonの積率相関係数を用いて分析 した.また 12月と3月の値を比較するために効 果 量(effect size)を Cohen(1988)の方法を用 いて算出し, Lipsey(1990)および Sawilowsky (2009)のスケールによって解釈した.したがって, dが0.00-0.19のときvery small,0.20-0.49 のとき small,0.50-0.79 のときmediumそして0.8以上の ときlargeと判断した. III 結 果 被験者の体重,生理学的変数およびステップ変 数の12月および 3月の値, 12月から3月にかけ ての変化率および effect sizeをTable 1に示した. 体重,V 4 O 2max,sV 4 O 2max,sLT およびLTの変化 率はそれぞれ 1.4%±1.3%, -2.4%±7.2%, -1.0% ±4.4%, 1.3%±5.1%および2.5%±6.7% であり, それらの effect sizeはvery smallまたはsmallであ っ た(Table 1).また, RE,CT および k legの変 化を示す effect sizeはすべての運動強度において very smallであった. FT,SL およびSFの変化を 示すeffect sizeは18.6 km・h -1 でvery small,その 他のすべての走スピードで smallであった.なお, 1名の16.2 km・h -1 のステップ変数のデータが撮影 ミスのため欠損した. 4. 統計分析 生理学的変数およびステップ変数の 12月から 3月までの変化率を Δ(%)にて算出し, 12月か ら3月にかけて値が減少したとき負,値が増大し たとき正として表した.したがって, REにおい ては経済性が向上したときに負,低下したときに 正となる.統計処理には SPSS Statistic 22(IBM 社,Chicago,IL,USA)を使用し,統計的有意 水準はp < 0.05とした.結果はすべて平均値 ± 標準偏差にて示した. 2変量の関係を明らかにす Figure 1. Relationships between the changes ratio of ground contact time and running economy at each running speed. † a, 13.8 km・h −1 ; b, 15.0 km・h −1 ; c, 16.2 km・h −1 ; d, 17.4 km・h −1 ; e, 18.6 km・h −1 .

588丹治・鍋倉 それぞれの走スピードにおける CTの変化率 (ΔCT)と REの変化率( ΔRE)の関係を Fig.1に, FTの変化率( ΔFT),SLの変化率( ΔSL),SF の変化率( ΔSF)および k legの変化率( Δk leg)と ΔREの相関係数を Table 2に示した. 13.8,15.0 および16.2 km・h -1 において ΔCTとΔREの間に 有意な相関関係は認められなかった(それぞれ r =-0.09,0.07 および0.00; p > 0.05).一方,17.4 および18.6 km・h -1 において有意な正の相関関係 が認められた(それぞれ r=0.43および0.51; p < 0.05). ΔFTおよび Δk legも同様に 13.8,15.0 および16.2km・h -1 において ΔREとの間に有意な 相関関係は認められなかった(それぞれ ΔFT:r =0.11, -0.03および-0.05, Δk leg:r=0.10,-0.05 および-0.01; p > 0.05).一方, 17.4および18.6 km・h -1 において有意な負の相関関係が認められた (それぞれ ΔFT:r=-0.41および-0.52, Δk leg:r =-0.42および-0.56, p < 0.05).一方で, ΔSLお よびΔSFはすべての走スピードにおいて ΔREと の間に有意な相関関係が認められなかった. ΔCTとΔSLはすべての走スピード( 13.8, 15.0,16.2,17.4 および18.6km・h -1 )において有 意な相関関係は認められず(それぞれ r =-0.21, 0.25, -0.18, -0.21および 0.15;p = 0.27, 0.19, 0.36, 0.28および0.45),同様に ΔSFもすべての 走スピードにおいて有意な相関関係は認められな かった(それぞれ r=0.20, -0.26, 0.18, 0.21およ び-0.14;p =0.30, 0.18, 0.36, 0.28および0.47). それぞれの走スピードにおける Δk legとΔCTの 関係を Fig.2に,Δk legとΔFT,ΔSLおよび Δ SF の相関係数を Table 3に示した. Δk legはすべての 走スピードにおいて ΔCTとの間に有意な負の相 関関係が認められ, ΔFTとの間に有意な正の相 関関係が認められた一方で, ΔSLおよびΔSFと の間に有意な相関関係は認められなかった. 被験者の体重の変化率( ΔBW)と ΔRE,ΔCT, ΔFT,ΔSL,ΔSFおよびΔk legの相関関係を Table 4に示した. ΔBWとΔREおよびΔFTの間には すべての走スピードにおいて有意な相関関係が 認められなかった( p > 0.05). ΔBWとΔCTお よびΔk legの間には 16.2 km・h -1 においてそれぞれ 有意な負および正の相関関係が認められた(そ れぞれr=-0.48および0.59; p < 0.05)ものの, その他の走スピード( 13.8,15.0,17.4 および 18.6 km・h -1 )においては有意な相関関係が認めら れなかった( p > 0.05). 13.8および 17.4 km・h -1 において ΔBWとΔSLの間には有意な正の相関 関係(それぞれ r=0.41および0.40;p < 0.05)が , ΔBWと ΔSFの間には有意な負の相関関係(それ ぞれr=-0.41および-0.41; p < 0.05)が認めら れたものの, その他の走スピードにおいては有意 な相関関係が認められなかった( p > 0.05). IV 考 察 本研究は専門的にトレーニングを行なっている Table 2. Correlation coefficients (p value) between the changes ratio of running economy and flight time, step length, step frequency and leg stiffness at each running speed km・h −1 ΔFT ΔSL ΔSF Δk leg 13.8 0.11 (0.58) -0.02 (0.90) 0.04 (0.84) 0.10 (0.61) 15.0 -0.03 (0.88) 0.08 (0.67) -0.08 (0.68) -0.05 (0.82) 16.2 -0.05 a (0.81) -0.08 a (0.69) 0.09 a (0.66) -0.01 a (0.95) 17.4 -0.41 * (<0.05) -0.03 (0.88) 0.04 (0.83) -0.42 * (<0.05) 18.6 -0.52 ** (<0.01) -0.11 (0.56) 0.12 (0.53) -0.56 ** (<0.01) † a , n = 28; * , p < 0.05; ** , p < 0.01; ΔFT, changes ratio of flight time; ΔSL, changes ratio of step length; ΔSF, changes ratio of step frequency; Δk leg, changes ratio of leg stiffness.

589ステップ変数と走の経済性の変化 Figure 2. Relationships between the changes ratio of leg stiffness and ground contact time at each running speed. † a, 13.8 km・h −1 ; b, 15.0 km・h −1 ; c, 16.2 km・h −1 ; d, 17.4 km・h −1 ; e, 18.6 km・h −1 . Table 3. Correlation coefficients (p value) between the changes ratio of leg stiffness and flight time, step length and step frequency at each running speed. km・h −1 ΔFT ΔSL ΔSF 13.8 0.70 ** (<0.01) 0.31 (0.10) -0.31 (0.11) 15.0 0.57 * (<0.05) -0.14 (0.47) 0.14 (0.46) 16.2 0.70 a** (<0.01) 0.23 a (0.25) -0.23 a (0.25) 17.4 0.65 ** (<0.01) 0.33 (0.08) -0.33 (0.08) 18.6 0.81 ** (<0.01) -0.06 (0.75) 0.05 (0.79) † a , n=28; * , p < 0.05; ** , p < 0.01; ΔFT, changes ratio of flight time; ΔSL, changes ratio of step length; ΔSF, changes ratio of step frequency. Table 4. Correlation coefficients (p value) between the changes ratio of body weight and running economy, contact time, flight time, step length, step frequency and leg stiffness at each running speed. km・h −1 ΔRE ΔCT ΔFT ΔSL ΔSF Δk leg 13.8 0.24 (0.21) -0.08 (0.69) 0.05 (0.78) 0.32 (0.09) -0.32 (0.09) 0.24 (0.22) 15.0 0.22 (0.25) -0.05 (0.82) 0.08 (0.69) 0.41 * (<0.05) -0.41 * (<0.05) 0.19 (0.31) 16.2 0.07 a (0.71) -0.48 a* (<0.05) 0.24 a (0.22) 0.34 a (0.08) -0.33 a (0.08) 0.59 a** (<0.01) 17.4 0.07 (0.72) -0.15 (0.44) 0.09 (0.63) 0.40 * (<0.05) -0.41 * (<0.05) 0.35 (0.06) 18.6 -0.01 (0.96) 0.24 (0.20) -0.03 (0.88) 0.24 (0.21) -0.25 (0.20) -0.05 (0.80) † a , n=28; * , p < 0.05; ** , p < 0.01; ΔRE, changes ratio of running economy; ΔCT, changes ratio of contact time; ΔFT, changes ratio of flight time; ΔSL, changes ratio of step length; ΔSF, changes ratio of step frequency; Δk leg, changes ratio of leg stiffness.

590丹治・鍋倉 中長距離ランナーを対象に,生理学的変数および ステップ変数の縦断的変化を追跡した.その結果, 被験者全体の体重,生理学的変数およびステップ 変数の変化は very smallまたはsmallであった. 本研究では 4か月のトレーニング期間前後におけ る各変数を評価したが,その期間のトレーニング 介入は行なわなかった.そのため,すべての被験 者に共通した変化は認められず,またその変化も わずかであったと考えられる. 1. CT と RE の縦断的変化の関係 これまで CTとREの横断的関係を調査した 研究によって,短い CTは優れた REに寄与す ると指摘されてきた( Anderson, 1996; Hayes and Caplan, 2012; Santos-Concejero et al., 2013, 2014). しかし, CTとREの縦断的変化の関係におい ては一致した見解が得られておらず,縦断的変 化の関係を調査した研究のうち, Paavolainen et al.(1999)は CTが短縮し, REが向上したこと を認めている一方, Millet et al.(2002)および Spurrs et al.(2003)は CTとREの変化に関連を 認めていない.本研究の結果, LTを超えない強 度(13.8 および15.0 km・h -1 )および LT付近強度 (16.2 km・h -1 )において ΔCTとΔREの間に有意 な相関関係は認められなかったものの, LTを超 える強度( 17.4および18.6 km・h -1 )において有意 な正の相関関係が認められた.つまり, LT以下 の強度では CTとREの縦断的変化に関連がない 一方,LT を超える強度では CTが短縮したラン ナーほど REが向上したと示され,運動強度によ ってそれぞれの先行研究の見解を支持する結果 となった.さらに Δk legは,すべての運動強度に おいてΔCTとの間に負の関連が認められた一方, ΔREとの間には LTを超える強度においてのみに 負の関連が認められた. このような運動強度による CTとREの関連の 違いについて丹治ほか( 2017)は,走行中の脚 の伸長 -短縮サイクル( stretch-shortening cycle: SSC)に伴う弾性エネルギーの貯蔵・再利用を要 因としてあげている.高い運動強度では,低い運 動強度に比べて, CTが短くかつ接地局面の足関 節底背屈角速度が大きくなり,足関節のエキセン トリックに対するコンセントリックの関節トルク が大きくなる(図子ほか, 1998).その結果,よ り大きな弾性エネルギーの貯蔵・再利用が生み出 され,高い運動強度では CTがREの優劣に影響 すると推察されている. さらにBosco et al.(1981)は,走行中のエキセ ントリックからコンセントリックへの移行時間 (coupling time)の短縮によって筋の増強効果が増 大し,また CTの短縮と優れた REに関連すると 報告している.運動強度の増大にともない Fz max は増大するため,より大きな筋の増強効果,つま り優れた k legと関連したと考えられる.一方, CT が長くなると弾性エネルギーの貯蔵・再利用が小 さくなり,筋の増強効果も減少するため,エネル ギー産生や接地時の衝撃への緩衝のためにより筋 を活動させる必要がある.走スピードの増大によ って筋の活動は増大する( Kyröläinen et al., 2001) ため,LT を超える強度においてはさらに筋活動 が増大し REが低下すると考えられる. ΔBWとΔREとの間にはすべての走スピードに おいて関連が認められず, ΔCTおよびΔk legとの 間にも16.2 km・h -1 を除くすべての走スピードに おいて関連が認められなかった.また関連が認め られた16.2 km・h -1 においても ΔBWとΔCTおよ びΔk legの関係は ΔCTとΔk legの関係よりも弱か っ た(r=-0.48および0.59 vs -0.98).したがって, 体重の変化は CTやk legの変化に寄与する可能性 があるものの,その影響は小さいと推察される. むしろΔCTとΔk legは強く関連し,ともに ΔRE に関連したことから, CTの短縮・延長は k legの 向上・低下によるものであり,その結果 REの向 上・低下に影響すると推察される. 以上のことから, LTを超える強度においては k legの向上が CTの短縮に関連し, REの向上に貢 献する可能性があるが, LT以下の強度において はREの変化に大きな影響を及ぼさず,直接的な 関連が見られなかったと考えられる. 2. SL および SF と RE の縦断的変化の関係 これまで SLおよびSFとREの横断的関係を調

591ステップ変数と走の経済性の変化 査した研究によって,短い SLおよび高い SFが 優れたREに寄与すると指摘されてきた(Cavanagh and Williams, 1982; de Ruiter et al., 2014; Tartaruga et al., 2012).しかし,縦断的な関係において高い SF(または短い SL)への変化によって REが向 上したことを報告したのは,我々の知る限り即時 的にSFを変更させた de Ruiter et al.(2014)の研 究のみであった. 4か月の期間をあけてステップ 変数とREの縦断的変化の関係を調査した本研究 の結果, ΔSLおよびΔSFとΔREの間にはすべて の運動強度において有意な相関関係が認められな かった.同様に, ΔSLおよびΔSFはすべての運 動強度において Δk legとの間にも関連が認められ なかった. Cavanagh and Williams(1982)は,自由に走行 した際の SL(自由 SL)と比べて短い SLにおい てREが最も優れていることを報告しているが, そのREの差はわずかである.本研究ではトレー ニング介入を行なわなかったため, SLやSFの縦 断的変化は小さく,効果量としては very smallま たはsmallであった.さらに試技中も走行に関す る指示を行なわなかったため,いずれの試技にお いても自由 SLで走行しており,大きく REに影 響しなかったと推察される.同様に,同一スピー ドにおいて走行中の SFを変更させたときの k leg を調査した Farley and González(1996)によると, SFの増大によって k legは増大するものの,その 変化量は小さい.加えて Morin et al.(2007)も, SFを変化させたときの k legの変化率は CTを変 化させたときよりも小さく( y=1.31x+13.5 vs -3.19x-0.59),その関係性も弱いことを示してい る(r 2 =0.47 vs 0.90). SFを即時的に変更させたとき, ΔSFとΔCTに は有意な負の相関関係が認められる( Farley and González, 1996)が,本研究では ΔSLおよびΔSF はすべての運動強度において ΔCTとの間に関連 が認められなかった.つまり,長期的な変化でか つ自由走行では ΔSFとΔCTは関連しないと推察 される.一方で ΔBWとΔSLおよびΔSFとの間 には15.0および17.4 km・h -1 においてそれぞれ有 意な正および負の相関関係が認められた.その他 の走スピードにおいては有意でないものの, 13.8 および16.2 km・h -1 では関連傾向( p < 0.10)が認 められた.つまり,体重が増加したランナーほ どSLが長く, SFが小さくなる傾向があると推察 される.これらの結果は, SLおよびSFがCTや k legの縦断的変化への関連性は弱く,その要因の 1つに体重の変化が影響していると示唆される. 以上のことから,すべての運動強度において SLおよびSFの縦断的変化が小さく,かつ k legと の関連も CTと比較して弱いため, REとの関連 が認められなかったと考えられる. 3. 現場への示唆 本研究の結果, LTを超える強度においてのみ, CTの短縮によって REの向上が認められた. LT を超える強度における REは走パフォーマンスと の関連が強く, CTの短縮によって走パフォーマ ンスの向上が見込めると推察される.また, ΔCT とΔk legの間には非常に強い関連が認められたこ とから, k legを向上させることによって CTは短 縮すると考えられる. k legは最大鉛直地面反力 (Fz max)を接地中の下肢最大変位( ΔL)で除すこ とによって算出される( Morin et al., 2011).した がって,Fz maxに対する ΔLを小さくすることが求 められ,これを達成するために支持期を通しての 骨格筋系全体の硬さを向上させるトレーニングや それを補う走動作への改善が有効であると推察で きる. k legを向上させるトレーニングとして,プライ オメトリックトレーニング(プライオメトリク ス) が有効であると知られている( Cornu et al., 1997).これは接地局面の骨格筋スティフネスを 向上させるためであるが,運動形態によって k leg に対する下肢関節スティフネスの貢献に違いが認 められている.走行中の k legは足関節スティフネ スの貢献が大きいものの,運動強度が高まるに つれて膝関節スティフネスの貢献も大きくなる (Arampatzis et al., 1999).一方でホッピング中の k legは運動強度が高まるにつれて足関節スティフ ネスの貢献が大きくなる( Farley and Morgenroth, 1999).この違いは運動に水平方向の移動が含ま

592丹治・鍋倉 れているかによるものと推察できる.以上のこと からLTを超える強度における走行中の k legを向 上させるプライオメトリクスとして,リバウンド ジャンプやドロップジャンプといった鉛直方向へ の運動よりもバウンディングや立五段跳びといっ た水平方向への運動のプライオメトリクスが効果 的であると考えられる. 接地局面での大きな足関節底背屈角速度は,足 関節におけるエキセントリックに対するコンセン トリックの関節トルクが増大(図子ほか,1998), すなわち k legが増大し, SSCにおいてより大きな 弾性エネルギーの貯蔵・再利用に有効である.丹 治ほか( 2016)は,LT を超える強度において経 済性に優れた走動作として,接地時に足関節が背 屈位であることを報告している.さらに丹治ほか (2017)は,運動強度の増大にともない,かかと 接地ではなく中足部接地での走行が経済性に優れ ることを示唆している.以上のことから LTを超 える強度における走行中の k legの向上を補う走動 作として,接地時に足関節を背屈位にし,中足部 から接地,その後足関節底背屈角速度を大きくす ることが効果的であると考えられる. 4. 研究の限界 一般的に k legは,走行中の 1ステップにおけ る鉛直方向の最大地面反力および支持期におけ る最大脚変位によって算出される( Arampatzis et al., 1999; Farley and González, 1996; Farley and Mor - genroth, 1999; Morin et al., 2007)が,本研究では Morin et al.(2011)の方法を用いて CT,FT,体重, 下肢長などから簡易的に k legを算出した.そのた め,Δk legとΔCTの関連が一般的な方法に比べて 強くなった可能性があり,また計算上と理論上の k legについておよび CTとの関係についての解釈 に注意が必要である.つまり, CTに変化がなく ても体重や下肢長の変化によって k legは変化する 可能性がある. しかし,一般的な方法によって算出された k leg においても, Δk legとΔCTの関連が強いことが報 告されている( r 2 =0.90; Morin et al., 2007). そ のため, k legの算出方法によって CTとの関連が 強くなったのではなく,そもそも両者の間には非 常に強い関連があると推察される.また,本研究 の被験者は 19.4±1.0歳とほぼ成長期を過ぎてお り,トレーニング前後での身長の変化はなく,下 肢長も変化がなかった.さらに, ΔBWとΔk legの 間には16.2 km・h -1 除いてすべての走スピードに おいて関連が認められなかった( p > 0.05).した がって, 肢長や体重の変化による k legの変化への 影響はそれほど大きくないと推察される.ただし, 成長期の選手を対象とする場合は注意が必要とな るだろう. 本研究で用いた算出式では計算上, CTの短縮 によって k legが向上することになるが,Farley and Morgenroth(1999)は優れた k legが短いCTをも たらすことを指摘している.つまり, k legの向上 がCTを短縮させると考えられる.そのためトレ ーニングなどによって k legを向上せずに CTを短 縮させようとすると,持ち合わせている k leg以上 の負荷が脚にかかり,故障のリスクが高まると推 察される.しかし本研究では k legとCTの関連に ついて明らかにしたものの,その因果関係は明確 に判断できないため, その解釈には限界がある. 今後これらの因果関係についてのさらなる調査が 求められるだろう. 一方で,この簡易的に k legを算出する方法は Morin et al.(2005)によってその妥当性が検証さ れており, 本研究ではこの方法を用いることによ ってREとバイオメカニクス的要因を同一のト レッドミル走行中に評価した.走行時間や疲労 などによってステップ変数 (Fourchet et al., 2015; Girard et al., 2017)が変動するため,これらを同 一の走行で評価したことは,その関連性をより繊 細に検討できたと考えられる.比較的簡易に評価 できる変数によって算出した k legが中長距離走パ フォーマンスに強く関連する REと関連したこと から,指導現場においても用いやすい有益な情報 となり得るだろう. V 結 論 本研究は, 専門的にトレーニングを行なってい

Description

This study clarifies the relationship between changes in step parameters and RE in distance runners.