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article 2020 16 pages

The relationship between running performance in the Olympic-distance triathlon and aerobic physiological variables, focusing on the 3 factors of the classic model

AOYAGI Atsushi, ISHIKURA Keisuke, SHIRAI Yusuke, NABEKURA Yoshiharu

Journal
Japan Journal of Physical Education, Health and Sport Sciences
Study type
original research
Population
male triathletes

Abstract

intensities, pedaling cadence, and carbohydrate intake during the swim and bike legs was investigated in 8 male triathletes. The 3 factors were quantified using a treadmill incremental test following the same protocol in each study. Simple correlation and multiple regression analyses were performed using the forced entry method. The independent variables were the 3 factors of the classic model, and the dependent variable was running performance in the ODT races. In study I, no significant correlation was found between the 2 measurements (p > 0.05). Furthermore, no significant multiple correlation coefficient was obtained (R < 0.54, p > 0.05), and < 10.7% of the running performance was attributable to the 3 factors. In study II, by contrast, a significant correlation was found between RE and running performance

the ODT races. In study I, no significant correlation was found between the 2 measurements (p > 0.05). Furthermore, no significant multiple correlation coefficient was obtained (R < 0.54, p > 0.05), and < 10.7% of the running performance was attributable to the 3 factors. In study II, by contrast, a significant correlation was found between RE and running performance (r = 0.79, p = 0.02). In addition, a significant multiple correlation coefficient was obtained (R = 0.91, p = 0.05), and 69.9% of the running performance in the simulated ODT race was attributable to the three factors. In conclusion, we suggest that in the ODT the 3 factors of the classic model explain interindividual variation in running performance. However, in an actual ODT race, the relationship between the 3 factors and running performance may weaken owing to the residual effects of prior swimming and cycling. Key words : multisport, endurance performance, maximal oxygen uptake, anaerobic threshold, running economy ã‚­ãƒ¼ãƒ¯ãƒ¼ãƒ‰ï¼šãƒžãƒ«ãƒã‚¹ãƒãƒ¼ãƒ„ï¼ŒæŒä¹…æ€§ãƒ‘ãƒ•ã‚©ãƒ¼ãƒžãƒ³ã‚¹ï¼Œæœ€å¤§é…¸ç´ æ‘‚å–é‡ï¼Œç„¡é…¸ç´ æ€§é–¾å€¤ï¼Œèµ°ã®çµŒæ¸ˆæ€§ AOYAGI Atsushi 1 , ISHIKURA Keisuke 2 , SHIRAI Yusuke 3 and NABEKURA Yoshiharu 4 : The relationship be- tween running performance in the Olympic-distance triathlon and aerobic physiological variables, focusing on the 3 factors of the classic model. Japan J. Phys. Educ. Hlth. Sport Sci. 原著論文 ä½“è‚²å­¦ç ”ç©¶ã€€ 65:815-830,2020

816h6ò „ T I 緒 言 トライアスロンとは,スイム,バイクおよび ãƒ©ãƒ³ã®é †ç•ªã§ï¼Œ 3種目を1人の選手が連続して 行う複合型 -持久性スポーツ競技である.最も 一般的な距離区分であるオリンピックディスタ ンス(Olympic-distance triathlon,以 下 「 ODT」と 略す)は,スイム,バイクおよびランがそれぞ れ1.5 km,40 km および10 kmにおよぶ.これら 3種目の各成績と総合成績との関係を検討した先 è¡Œç ”ç©¶ã§ã¯ï¼Œã‚¹ã‚¤ãƒ ãŠã‚ˆã³ãƒã‚¤ã‚¯ã«ãŠã„ã¦ã¯ï¼Œç«¶ 技レベルが高くなるにつれて総合成績との関係が 認められない傾向にある一方で,ランにおいて は,いかなる競技レベルを対象としても総合成績 との密接な関係が認められている(Schabort et al., 2000; Sleivert and Wenger, 1993ï¼‰ï¼Žã“ã‚Œã‚‰ã®å ±å‘Šã¯ï¼Œ ODTにおいて,とりわけランが総合成績の優劣 を決定する重要な種目であることを示している. ODTの競技時間はランだけでも 30分以上,全 体でおよそ 1時間50分以上にわたる.このよう な長時間運動で優れたパフォーマンスをおさめる ãŸã‚ã«ã¯ï¼Œæœ‰é…¸ç´ æ€§ã®ç”Ÿç†å­¦çš„èƒ½åŠ›ã«å„ªã‚Œã‚‹å¿…è¦ がある( Joyner and Coyle, 2008). Joyner(1991) は,ODT と同様に長時間運動であるフルマラソ ãƒ³ã®ãƒ‘ãƒ•ã‚©ãƒ¼ãƒžãƒ³ã‚¹ã‚’ï¼Œæœ€å¤§é…¸ç´ æ‘‚å–é‡ï¼ˆMaximal oxygen uptake,以下「 V 4 O 2maxã€ã¨ç•¥ã™ï¼‰ï¼Œç„¡é…¸ç´ æ€§é–¾å€¤ã«ãŠã‘ã‚‹é…¸ç´ æ‘‚å–æ°´æº–ï¼ˆ Fractional utiliza - tion of V 4 O 2max at the anaerobic threshold,以下「 % 4 V 4 O 2max at AT」と略す)および走の経済性(Running economy,以下「 RE」と略す)の 3つの生理学的 指標によってモデリングしている(以下,これら の3指標をまとめて「 Classic modelの3è¦å› ã€ã¨ 呼ぶ).Classic modelの3è¦å› ã¯ï¼Œãƒ©ãƒ³ãƒ‹ãƒ³ã‚°å˜ 体で行う長距離走種目(以下「長距離走」と略 ã™ï¼‰ã®ãƒ‘ãƒ•ã‚©ãƒ¼ãƒžãƒ³ã‚¹ã®æ±ºå®šè¦å› ã¨ã—ã¦å¤ãã‹ ら検討が重ねられてきた(di Prampero et al., 1986; McLaughlin et al., 2010; Takayama et al., 2018; Tjelta et al., 2012).平均値に対するデータのばらつき の相対的評価に変動係数( Coefficient of variation, 以下「CV」と略す)を用いると,長距離走パフ ォーマンスが広範にわたる集団( CVが10.7― 16.9%ï¼‰ã‚’å¯¾è±¡ã¨ã—ãŸå ´åˆï¼Œ V 4 O 2max(CVが12.7― 13.1%ï¼‰ãŒæœ€ã‚‚å¼·åŠ›ãªãƒ‘ãƒ•ã‚©ãƒ¼ãƒžãƒ³ã‚¹ã®äºˆæ¸¬å› å­ となる(Costill et al., 1973; di Prampero et al., 1986; McLaughlin et al., 2010ï¼‰ï¼ŽåŠ ãˆã¦ï¼Œé‡å›žå¸°åˆ†æžã® 結果,Classic model の3è¦å› ã®ãƒ‘ãƒ•ã‚©ãƒ¼ãƒžãƒ³ã‚¹ã¸ の総合的な寄与率は 70%―95% にまでおよぶ( di Prampero et al., 1986; McLaughlin et al., 2010). こ れに対して,高い競技レベルを有し,パフォーマ ンスが等質な集団( CVが3.1―3.9%)を対象と ã—ãŸå ´åˆã«ã¯ï¼Œ V 4 O 2maxは一様に高くばらつきが小 さい(CV が3.2―3.9%)ため,パフォーマンス ã®äºˆæ¸¬å› å­ã«ã¯ãªã‚‰ãšï¼Œä»£ã‚ã‚Šã« RE(CV はお よそ5.2―6.5%ï¼‰ãŒã‚ˆã‚Šå¼·ã„äºˆæ¸¬å› å­ã¨ãªã‚‹ï¼ˆCon - ley and Krahenbuhl, 1980; Morgan et al., 1989). そ のほか, % V 44 O 2max at ATは,V 4 O 2maxã‚„REと比較 すると,持久性パフォーマンスへの貢献が小さ い(McLaughlin et al., 2010).一方で,トライア スロンにおけるランのパフォーマンスと, Classic modelの3è¦å› ã¨ã®é–¢ä¿‚ã«ã¤ã„ã¦ã¯ï¼Œ 3è¦å› ã‚’ã™ べて定量したうえでランのパフォーマンスとの関 ä¿‚ã‚’æ¤œè¨Žã—ãŸå ±å‘Šã¯è‘—è€…ã‚‰ã®çŸ¥ã‚‹é™ã‚Šè¦‹å½“ãŸã‚‰ ず,1 è¦å› ã‚ã‚‹ã„ã¯ 2è¦å› ã§ã®æ¤œè¨Žã«ç•™ã¾ã£ã¦ã„ る. トライアスロンを模した複合型 -持久性運動実 験において,先行する運動の存在自体が,その後 の運動のパフォーマンスに影響を与えることが 確認されている(Etxebarria et al., 2014ï¼‰ï¼ŽåŠ ãˆã¦ï¼Œ スイムやバイクにおけるドラフティングの有無 (Delextrat et al., 2003; Hausswirth et al., 2001)やペ ース戦略( Peeling et al., 2005; Suriano and Bishop, 2010aï¼‰ã¨ã„ã£ãŸé‹å‹•å¼·åº¦ã«é–¢ã‚ã‚‹è¦å› ã‚„ï¼Œãƒ イク中のペダル回転数の選択( Vercruyssen et al., 2002),糖質摂取( McGawley et al., 2012)などの å„è¦å› ã‚‚ï¼Œãã®å¾Œã®ç¨®ç›®ã®ãƒ‘ãƒ•ã‚©ãƒ¼ãƒžãƒ³ã‚¹ã«ãã‚Œ ぞれ異なる影響を与える.例えば, Hausswirth et al.(2001)は,バイク中のドラフティング様式の 違いによって引き起こされる生理学的変化やパフ ォーマンス変化の検討を目的として, 500 m毎に ドラフティング状態と非ドラフティング状態を入 れ替えながら走行させる条件(交代条件)と,終

817トライアスロンランのパフォーマンスと有酸素性指標 始ドラフティング状態を保つ条件(保持条件)の 計2種類の模擬トライアスロンを実施した.その 結果,20 km のバイク走行に要した時間は条件間 で差がなかったにもかかわらず,保持条件と比較 して,酸素摂取量( Oxygen uptake,以下「 V 4 O 2」 と略す)や心拍数( Heart rate,以下「 HR」と略 す)は交代条件でより高値を示し,バイク後のラ ンの速度は交代条件でより低値を示した.この知 見は,バイク中の運動強度が高い場合にその後の ランパフォーマンスが低くなることを示してい る.さらに,実際のレースにおいては,レースの 展開あるいは個人の戦略や特徴によって上記した 要因は個人ごとに異なることが報告されている (Bernard et al., 2009; Cox et al., 2010).例えば Cox et al.(2010)は,ODT レース中の糖質摂取量は 個人差が大きく, 66%の選手は推奨される糖質摂 取量を下回っていたことを報告している.これら を踏まえると,実際の ODTレースを対象とした 場合,ラン開始までの運動における運動強度,ペ ダル回転数および糖質摂取に個人間でばらつきが 生じていることによって,ランのパフォーマンス に与えられる影響の程度にも個人差が生じ,これ がClassic modelの3要因とランのパフォーマン スとの関係に影響を及ぼすことで,両者の関係が 弱くなる可能性が考えられる.これと同様な観点 からの指摘は,トライアスロン選手の生理学的能 力について概説した複数の総説においてもなされ ている(Millet and Vleck, 2000; Suriano and Bishop, 2010b). 優れたパフォーマンスに求められる生理学的能 力の正確な理解は,トレーニングの特異性に則っ た効果的なトレーニング戦略の立案に有益である と考えられる.しかし,既述したように, Classic modelの3要因をすべて定量したうえでトライア スロンにおけるランのパフォーマンスとの関係を 検討した研究は我々が調査した限り存在せず,加 えてラン開始までの運動強度,ペダル回転数およ び糖質摂取における個人間でのばらつきの影響を 統制した実験デザインにおける検討も認められな い.つまり,長距離走のパフォーマンスを総合的 に説明するモデルとして広く知られている Clas - sic modelの3要因が,トライアスロンのランの パフォーマンスに対してどのように関係するのか については,不明な点が多い. そこで本研究の目的は,ランのパフォーマンス が広範にわたるトライアスロン選手の集団を対象 として, Classic modelの3要因とODTにおける ランのパフォーマンスとの関係を明らかにするこ ととし, 2つの研究課題を設定した.研究課題 I では,Classic model の3要因と,実際の ODTレ ースにおけるランのパフォーマンスとの関係を検 討した.研究課題 IIでは,Classic model の3要 因と,スイムおよびバイクを統制した模擬 ODT レースにおけるランのパフォーマンスとの関係を 検討した.仮説として,長距離走を対象とした先 行研究の結果と同様に, Classic modelの3要因と ODTにおけるランのパフォーマンスとの間には, 1)各研究課題で, V 4 O 2maxにおいて最も強い関係 が認められること,および 2)スイムおよびバ イクを対象者間で統制した研究課題 IIにおいて, 研究課題 Iよりも密接な関係が認められることと した. II 方 法 1. 研究課題 I 1.1 研究対象者,実験デザイン 本研究課題は, 2016年と2018年に実施した. 大学トライアスロン部に所属する男性トライアス ロン選手 16名(2016 年9名および 2018年7名) を対象とし, Table 1に対象者のプロフィールを Table 1 Descriptive data of the subjects for each study. Study I (n = 16) Study II (n = 8) P-value Age (years) 20.9 ± 2.8 (13.6) 20.8 ± 1.8 (8.7) 0.90 Height (cm) 171.8 ± 5.5 (3.2) 170.7 ± 4.3 (2.5) 0.73 Weight (kg) 62.5 ± 4.7 (7.5) 62.5 ± 2.6 (4.2) 0.79 BMI (kg/m 2 ) 21.1 ± 1.0 (4.9) 21.5 ± 0.8 (3.7) 0.41 Values are expressed as mean ± SD and CV (%).

818h6òほか 示した. æœ¬ç ”ç©¶èª²é¡Œã«ãŠã„ã¦å¯¾è±¡è€…ã¯ï¼Œå®Ÿé¨“å®¤ã§ã®ãƒ©ãƒ³ ãƒ‹ãƒ³ã‚°ã«ãŠã‘ã‚‹æ¼¸å¢—è² è·è©¦é¨“ãŠã‚ˆã³å®Ÿéš›ã® ODT ãƒ¬ãƒ¼ã‚¹ã‚’å®Œé‚ã—ãŸï¼Žå¯¾è±¡è€…ã«ã¯ï¼Œå®Ÿé¨“é–‹å§‹å‰ã«ç ” 究の目的,方法ならびに起こりうる危険性を文書 ãŠã‚ˆã³å£é ­ã«ã¦èª¬æ˜Žã—ï¼Œç ”ç©¶å‚åŠ ã«å¯¾ã™ã‚‹åŒæ„ã‚’ 得た. 1.2 æ¸¬å®šé …ç›®ãŠã‚ˆã³æ¸¬å®šæ–¹æ³• 1.2.1 æ¼¸å¢—è² è·è©¦é¨“ æ¼¸å¢—è² è·è©¦é¨“ã¯ï¼Œå®¤æ¸©ãŒ 25.1 ± 1.1℃ に設定さ れた実験室内のトレッドミル( ORK7000,大武 ルート工業社)にて, 1%の傾斜をつけて( Jones and Doust, 1996)実施した.試験前の食事につい て,試験実施の 3時間前に摂り,以降は水だけの 摂取とするように指示した.また,試験前のトレ ーニングについて,前日は疲労困憊に至るような 激しいトレーニングを避け,当日は試験実施まで いかなるトレーニングも実施しないように指示し た. æ¼¸å¢—è² è·è©¦é¨“ã¯ï¼Œæœ€å¤§ä¸‹å®šå¸¸é‹å‹•ã¨æœ€å¤§æ¼¸å¢—é‹ 動の2種類によって構成した.最大下定常運動は 5åˆ†é–“ã®å›ºå®šè² è·èµ°è¡Œï¼ˆ 9.0 km/h)であった.そ の後3分間の休息を設けた後に,最大漸増運動を 実施した.これは 9.0 km/hから1分毎に0.6 km/h ずつ速度を漸増させ,対象者自身がそれ以上の走 行不可能を意思表示するまで実施された. æ¼¸å¢—è² è·è©¦é¨“ä¸­ã«ã¯ï¼Œå‘¼æ°—ã‚¬ã‚¹ãƒ‘ãƒ©ãƒ¡ãƒ¼ã‚¿ï¼Œ HRおよび主観的運動強度( Rating of perceived exertion,以下「 RPE」と略す)を測定した.運 動中のV 4 O 2ï¼ŒäºŒé…¸åŒ–ç‚­ç´ æŽ’å‡ºé‡ï¼ˆ Carbon dioxide production,以下「 V 4 CO 2」と略す),換気量およ び呼吸交換比を,自動呼気ガス分析器( AE-310-s エアロモニター,ミナト医科学社)の EXPモー ドを用いて, 20秒のサンプリング間隔で測定し ãŸï¼ŽãªãŠï¼Œæ¸¬å®šå‰ã«æ—¢çŸ¥æ¿ƒåº¦ã®æ ¡æ­£ã‚¬ã‚¹ãŠã‚ˆã³æµ é‡æ ¡æ­£å™¨ã‚’ç”¨ã„ã¦ã‚¬ã‚¹åˆ†æžå™¨ã‚’æ ¡æ­£ã—ãŸï¼Žã¾ãŸï¼Œ 心拍計( HRM-Tri,Garmin 社)を用いて HRを測 定した. RPEは,Borg(1973)によって開発さ れたものを小野寺・宮下(1976)が日本語表示化 した15段階のスケールを用いて,最大漸増運動 の終了直後に問診した. åˆ†æžé …ç›®ã¯ï¼Œæœ€å¤§ä¸‹å®šå¸¸é‹å‹•ã«ãŠã‘ã‚‹æœ€å¾Œã® 1 分間のV 4 O 2ã®å¹³å‡å€¤ã‚’ç”¨ã„ãŸé…¸ç´ ã‚³ã‚¹ãƒˆï¼ˆDaniels and Daniels, 1992),最大漸増運動における換気性 閾値(Ventilatory threshold,以下「 VT」と略す), V 4 O 2max,最高走速度(Maximal velocity,以 下 「 V max」 と略す)および最大心拍数( Maximal heart rate, 以下「HR max」と略す)とした. VTはV 4 O 2に対 するV 4 CO 2の屈曲点から求め( Beaver et al., 1986; LourenÇo et al., 2011), VTã‚’ATと表記して,酸 ç´ æ‘‚å–æ°´æº–ï¼ˆ% V 44 O 2max at AT)ならびに走速度(V AT) によって表した. V 4 O 2maxは,最大漸増運動から得 られた連続する 1分間のV 4 O 2の最高値とし,以 下の4つの評価基準のうち,少なくとも 2つ以上 を満たすことを条件とした. 1)V 4 O 2のプラトー が出現すること, 2)測定された HRの最高値が 年齢から予測された最大心拍数(式: 220-年齢) Table 2 Race day conditions for study I. Qualifying of intercollegiate championships Seasonal best race 2016 2018 Temperature (ºC) average 21.4 ± 0.0 (0.0) 21.4 ± 0.0 (0.0) 20.0 ± 2.1 (10.4) highest 26.8 ± 0.0 (0.0) 28.4 ± 0.0 (0.0) 26.2 ± 2.1 (8.0) lowest 14.8 ± 0.0 (0.0) 16.0 ± 0.0 (0.0) 14.7 ± 1.7 (11.5) Wind speed (m/s)average 2.1 ± 0.0 (0.0) 1.3 ± 0.0 (0.0) 1.8 ± 0.4 (20.5) Values are expressed as mean ± SD and CV (%).

819トライアスロンランのパフォーマンスと有酸素性指標 の90%以上に達していること, 3)呼吸交換比が 1.10以上に達していること, 4)RPE が19以上 に達していること. V maxは最後に完走できたステ ージの走速度とし,ステージの途中で走行を終了 した場合は Kuipers et al.(1985)の方法を用いて 評価した.漸増負荷試験は 7―10月に実施した. 1.2.2 トライアスロンレース ODTレースとして,漸増負荷試験を実施した 年の6月最終週に実施された関東学生トライアス ロン選手権那須塩原大会(以下「インカレ予選」 と略す)を採用した.これは,全日本学生トライ アスロン選手権への出場権獲得をかけて競われる 関東地区唯一の予選レースであり,ドラフティン グ不許可の ODTレースであった.加えて,漸増 負荷試験を実施した年におけるドラフティング不 許可のODTレースのうち,最も優れた総合タイ ムを記録したものを,シーズンベストレースとし て採用した.気象庁によって測定されたレース日 の環境データは Table 2に示す通りである. ODT レースタイムには大会がレース後に公開する公式 記録を用いた. 2. 研究課題 II 2.1 研究対象者,実験デザイン 本研究課題は 2016年に実施した.大学トライ アスロン部に所属する男性トライアスロン選手 8 名を対象とした.研究課題 Iと共通した対象者は 7名であった. Table1に対象者のプロフィールを 示した. 対象者は実験室において,サイクリングおよ びランニングにおける漸増負荷試験,ならびに ODTレースを模倣してデザインされたトライア スロンテストを完遂した.それぞれの測定はすべ て別日に行い, 3回とも対象者内で開始時間を統 一した. 2回の漸増負荷試験の順序はランダムと し,最後にトライアスロンテストを実施した.漸 増負荷試験間は少なくとも 48時間以上,漸増負 荷試験とトライアスロンテストは少なくとも 72 時間以上の間隔を設けた.対象者には,実験開始 前に研究の目的,方法ならびに起こりうる危険性 を文書および口頭にて説明し,研究参加に対する 同意を得た.測定は 9―11月に実施した. 2.2 測定項目および測定方法 2.2.1 漸増負荷試験 漸増負荷試験はサイクリングとランニングによ って,それぞれ別日に実施した.測定項目,測定 方法,試験前の食事および運動の指示については, すべて研究課題 Iと同様であった.ただし,サイ クリングの漸増負荷試験については,対象者自 身の競技用自転車と自動負荷装置( CompuTrainer Pro,RacerMate 社)を用いて実施した. Compu - Trainer Proは,これまでに複数の研究で用いられ, またその信頼性や妥当性が確認されている(Clark et al., 2016; Lamberts et al., 2009).ペダル回転数 は,Hausswirth et al.(1999)で報告されたトライ アスロン選手における自由選択ケイデンスの平均 値(89 rpm)を参考に 90 rpmとし,メトロノー ムの音と画面に映し出されたペダル回転数のフィ ードバック情報をもとに一定に保たせた.最大下 定常運動の負荷は 100 Wに設定し,最大漸増運 動は100 Wから1分ごとに 20 Wずつ負荷設定値 を漸増させ,ペダル回転数が連続して 5秒以上, 85 rpmを下回るまで実施した.パワーのデータ を用いて,P ATを評価した. 2.2.2 トライアスロンテスト トライアスロンテストは, McGawley et al.(2012)を参考にデザインした( Figure 1). 試 験前の食事について,長時間運動前の糖質摂取ガ イドライン( Burke et al., 2001)を参考に,試験 開始の1―4時間前に,数回に分けて,糖質を多 く含む食事内容で, 1000―1200 kcal を摂取する ように指示した.試験前の運動の指示は,漸増負 荷試験と同様であった. 対象者は実験室へ来室後,実験の説明を十分に 受け,必要な物品をすべて準備してプールへ移動 した.スイムのスタート前に 15分程度のウォー ムアップを,スイミングにて実施した.これには, 対象者自身に任意に行わせる部分に加えて,トラ イアスロンテストの設定泳速度にて泳ぐ(詳細は 後述)練習が含まれていた.対象者はトライアス ロンテストの全行程において, HRモニターおよ

820h6òほか びトライアスロン競技用ユニフォームを着用し, åŠ ãˆã¦ã‚¹ã‚¤ãƒ ä¸­ã¯ï¼Œå¯¾è±¡è€…è‡ªèº«ã®æ‰€æœ‰ã™ã‚‹ç«¶æŠ€ç”¨ ウェットスーツを着用して運動した. スイムは 25 m屋外プール(水温は 22.3 ± 4.8℃)にて実施した.泳速度は,トライアスロ ンテスト実施日から 4か月以内に実施されたうち で最も速かった 1500 mタイムトライアル泳(50 m プール,ウェットスーツ非着用)の平均泳速度を 基準として,これの 98%に設定した.ここでは, プールサイドを設定速度で歩行する検者に合わせ て泳がせることと, 25 mごとにホイッスルを鳴 らしターンのタイミングを一致させることによっ て,対象者に泳速度を調整させた.ターンはすべ てタッチターンとし,極端に長くけのびすること のないように指示した.スイム終了後,屋外プ ールから約 150 m離れた実験室(室温は 23.3 ± 1.5℃)に ,約10 km/hのランニングで移動させた. ç§»å‹•å¾Œï¼Œå¯¾è±¡è€…ã¯ã‚¦ã‚§ãƒƒãƒˆã‚¹ãƒ¼ãƒ„ã‚’è„±ãŽï¼Œè‡ªå‹•è² è·è£…ç½®ï¼ˆ CompuTrainer Pro)とともに設置された 対象者自身の競技用自転車に乗車した.スイムか らバイクへの移行(Transition 1,以 下 「 T1」と略す) は4分を目安として設定し,実際には 0:04:46 ± 0:00:22であった. バイクの運動強度は González-Haro et al.(2005) を参考に, P ATの90%に設定した.ペダル回転数 は90 rpmã¨ã—ï¼Œæ¼¸å¢—è² è·è©¦é¨“ã¨åŒæ§˜ã®æ–¹æ³•ã§ä¸€ 定に保たせた.なお, Le Meur et al.(2009)を参 考に,40 km の自転車走行に相当する仕事を 750 kJと定め,対象者ごとにこの仕事を完遂するた めに要する時間を事前に算出し,運動時間を規定 した.運動中の補給は水のみとし,任意に行わせ た.バイク終了後, 150 mlの水を摂取させ,ラ ンニングシューズに履き替えさせた.バイクから ランへの移行( Transition 2,以下「 T2」と略す) は3分を目安として設定し,実際には 0:03:04 ± 0:00:11であった. ランは屋外(気温は 15.9 ± 4.8℃)にて,あら かじめ計測された 10 kmの舗装路コースを用いて 実施した.コースは片道 2.5 kmã‚’2往復する設 計であり, 10 kmで計3回の折り返しと,計 4回 の上り下りを含んでいたが,それ以外はほぼ平坦 であり,高低差はおよそ 5mであった.対象者に は,10 km ã‚’ã§ãã‚‹ã ã‘é€Ÿãèµ°ç ´ã™ã‚‹ã‚ˆã†ã«æŒ‡ç¤º した.ラン中,対象者の安全管理およびコースの 先導のため,自転車に乗った検者が対象者の前方 10 m付近を常に維持するよう速度を調整しなが ら走行した. 2.5 km,5.0 km および7.5 kmの折り 返し地点に給水体制を整え,水のみの給水を自由 ã«è¡Œã‚ã›ãŸï¼Žç ”ç©¶èª²é¡Œ Iと同様に,ランのパフォ ーマンスには,ランの 10 kmã‚’èµ°ç ´ã™ã‚‹ãŸã‚ã«æ‰€ 要した時間を採用した. 各種目のタイムについて,トライアスロンレー スの公式記録では通常,バイクのタイムに, T1 ならびに T2ã«è¦ã—ãŸæ™‚é–“ãŒå«ã¾ã‚Œã‚‹ãŸã‚ï¼Œç ”ç©¶ 課題IIのトライアスロンテストにおける T1なら びにT2の時間も,バイクに含めて示した( Table 4). 3. データおよび統計の解析 数値は特に断りのない限り,平均値 ± 標準偏 差(CV)で示した.統計処理は,統計解析ソフ トウェア( SPSS for windows 25.0,IBM 社)を 用いて実施した. 2標本間の平均値の比較には Welchのt検定を用いた. 3標本間の平均値の比 Figure 1 Graphic representation of the triathlon test (study â…¡). 98% velocity of 1500 m time trial 90% P AT 90 rpm Free pace (Time trial) Transition 2 (0:03:04 ± 0:00:11) 1500 m swim (25 m outdoor pool) 750 kJ bike (Laboratory, own bicycle with CompuTrainer) 10 km run (Outdoor flat course) Transition 1 (0:04:46 ± 0:00:22) Figure 1 Graphic representation of the triathlon test (study II).

821トライアスロンランのパフォーマンスと有酸素性指標 較にはWelchの方法による一要因分散分析を用 い,有意な主効果が認められた際には Bonferroni 法を用いて多重比較を行った.ランニングの漸 増負荷試験で定量された Classic modelの3要因 と各ランのパフォーマンスとの関係については, Pearsonの積率相関係数を用いて分析した.また, Classic modelの3要因を独立変数,各ランのパフ ォーマンスを従属変数として,強制投入法による 重回帰分析を行った.統計的有意水準はいずれも p ≦ 0.05とした. Ⅲ 結 果 1. 対象者の身体特性とレースパフォーマンス ランニングの漸増負荷試験によって定量された 指標をTable 3に,トライアスロンレースパフォ ーマンスを Table 4に示した.身体的特徴ならび にランニングの漸増負荷試験によって定量された 指標のすべてにおいて,研究課題間で有意な差は なく,CV もおおよそ同等であった( Table 1およ びTable 3). ランのパフォーマンスは,研究課題 Iにおいて, インカレ予選では 0:44:38±0:07:06(15.9%), シ Table 3 Results of incremental running test for each study. Study I (n = 16) Study II (n = 8) P-value V 4 O 2max (ml/kg/min) 61.3 ± 5.7 (9.2) 60.0 ± 6.3 (10.5) 0.61 % V 4 O 2max at AT (%) 78.6 ± 4.8 (6.2) 79.4 ± 5.4 (6.9) 0.75 Running economy (ml/kg/km) 209.2 ± 14.0 (6.7) 209.3 ± 17.1 (8.2) 0.99 V AT (km/h) 13.8 ± 1.2 (9.0) 13.4 ± 1.5 (11.2) 0.52 V max (km/h) 17.9 ± 1.2 (6.4) 17.6 ± 1.2 (6.9) 0.58 HR max (beats/min) 193 ± 6 (3.1) 195 ± 6 (3.0) 0.48 Values are expressed as mean ± SD and CV (%). Table 4 Swim (1.5 km), bike (40 km), run (10 km), and overall Olympic-distance triathlon times for each study. Study I (n = 16) Study II (n = 8) P-value Qualifying of intercollegiate championships Seasonal best race Swim (h:min:s) 0:25:17 ± 0:03:15 (12.8) 0:25:35 ± 0:03:16 (12.7) 0:25:58 ± 0:03:27 (13.3) 0.90 Bike (h:min:s) 1:07:15 ± 0:03:52 (5.8) * 1:07:23 ± 0:03:56 (5.8) * 1:19:04 ± 0:10:44 (13.6) 0.03 Run (h:min:s) 0:44:38 ± 0:07:06 (15.9) 0:41:37 ± 0:03:40 (8.8) 0:43:20 ± 0:06:00 (13.8) 0.33 Overall (h:min:s) 2:17:11 ± 0:09:50 (7.2) 2:14:36 ± 0:08:41 (6.5) 2:28:23 ± 0:17:53 (12.1) 0.15 Values are expressed as mean ± SD and CV (%). vs. Study II; *: p < 0.05

822h6òほか ーズンベストレースでは 0:41:37±0:03:40(8.8%) ã§ã‚ã£ãŸï¼Žã¾ãŸç ”ç©¶èª²é¡Œ IIのトライアスロンテ ストにおいて,0:43:20 ±0:06:00(13.8%)であっ た. 2. ãƒˆãƒ©ã‚¤ã‚¢ã‚¹ãƒ­ãƒ³ãƒ†ã‚¹ãƒˆã«ãŠã‘ã‚‹èº«ä½“è² è· トライアスロンテストにおける各種目中の平 均心拍数は,スイム, T1,バイク, T2およびラ ãƒ³ã®é †ã«ï¼Œ 143 ± 13 bpm,133 ± 9 bpm,152 ± 9 bpm,130 ± 10 bpmおよび 175 ± 8 bpmであ った.T1,T2 およびランは HR max(ランニング) に対して, 69 ± 3% HR max,67 ± 4% HR maxおよ び90 ± 4% HR maxであった.バイクは HR max(サ イクリング)に対して, 80 ± 5% HR maxであった. 3. Classic model の 3 è¦å› ã¨ ODT におけるラン のパフォーマンスとの関係 Classic modelの3è¦å› ãã‚Œãžã‚Œã¨ãƒ©ãƒ³ã®ãƒ‘ãƒ• ォーマンスとの相関関係を Figure 2ï¼ˆç ”ç©¶èª²é¡Œ I) およびFigure 3ï¼ˆç ”ç©¶èª²é¡Œ IIï¼‰ã«ç¤ºã—ãŸï¼Žç ”ç©¶èª² 題Iにおいて,インカレ予選およびシーズンベ ストレースのいずれのランのパフォーマンスも, Classic modelの3è¦å› ã¨ã®é–“ã«æœ‰æ„ãªç›¸é–¢é–¢ä¿‚ã¯ 認められなかった( Figure 2ï¼‰ï¼Žä¸€æ–¹ï¼Œç ”ç©¶èª²é¡Œ II において,トライアスロンテストのランのパフ ã‚©ãƒ¼ãƒžãƒ³ã‚¹ã¯ï¼Œé…¸ç´ ã‚³ã‚¹ãƒˆã§ç¤ºã—ãŸ REとのみ有 意な相関関係( r = 0.79, p = 0.02)が認められた (Figure 3). Classic modelの3è¦å› ã‚’ç‹¬ç«‹å¤‰æ•°ã¨ã—ï¼Œå„ãƒ©ãƒ³ のパフォーマンスを従属変数とした,強制投入法 ã«ã‚ˆã‚‹é‡å›žå¸°åˆ†æžã®çµæžœï¼Œç ”ç©¶èª²é¡Œ Iでは,イン カレ予選およびシーズンベストレースのいずれに おいても,有意な重相関係数は得られなかった(そ れぞれR = 0.46, R 2 = 0.22,Adjusted R 2 = 0.02, p = 0.39とR = 0.54, R 2 = 0.29,Adjusted R 2 = 0.11, p = 0.24ï¼‰ï¼Žä¸€æ–¹ï¼Œç ”ç©¶èª²é¡Œ IIのトライアスロンテ Figure 2 Relationships between run time of the qualifying of intercollegiate championship or seasonal best race and each variable of classic model (study I). Run Time (h:min:s ) 0:30:00 0:40:00 0:50:00 1:00:00 45 55 65 75 r = 0.10 p = 0.71 VO 2max (ml/kg/min) ・ Run Time (h:min:s ) Run Time (h:min:s ) VO 2max (ml/kg/min) %VO 2max at AT (%) %VO 2max at AT (%) Qualifying of intercollegiate championships Seasonal best race 0:30:00 0:40:00 0:50:00 1:00:00 60 70 80 90 r = -0.06 p = 0.82 0:30:00 0:40:00 0:50:00 1:00:00 170190210230250 r = 0.46 p = 0.08 0:30:00 0:40:00 0:50:00 1:00:00 60 70 80 90 r = -0.07 p = 0.80 0:30:00 0:40:00 0:50:00 1:00:00 170190210230250 r = 0.31 p = 0.26 0:30:00 0:40:00 0:50:00 1:00:00 45 55 65 75 r = -0.13 p = 0.25 ・ ・ ・ Running economy (ml/kg/km) Running economy (ml/kg/km) Run Time (h:min:s) Run Time (h:min:s ) Run Time (h:min:s) Figure 2 Relationships between run time of the qualifying of intercollegiate championship or seasonal best race and each variable of classic model (study I).

(ml/kg/km) Running economy (ml/kg/km) Run Time (h:min:s) Run Time (h:min:s ) Run Time (h:min:s) Figure 2 Relationships between run time of the qualifying of intercollegiate championship or seasonal best race and each variable of classic model (study I).

823トライアスロンランのパフォーマンスと有酸素性指標 ストにおいては,有意な重相関係数が得られた( R = 0.91, R 2 = 0.83,Adjusted R 2 = 0.70, p = 0.05). Ⅳ 考 察 本研究の目的は,ランのパフォーマンスが広範 にわたるトライアスロン選手の集団を対象とし て,Classic modelの3要因とODTにおけるラン のパフォーマンスとの関係を明らかにすることで あった.研究課題 Iでは,Classic modelの3要因と, 実際のODTレースにおけるランのパフォーマン スとの間に有意な相関関係は認められず, Classic modelの3要因によるランのパフォーマンス説明 率(自由度調整済み決定係数)は 10.7%以下で あった.一方,研究課題 IIでは,スイムおよび バイクにおける運動強度,ペダル回転数および糖 質摂取を対象者間で統制したトライアスロンテス トにおけるランのパフォーマンスと REとの間に 有意な関係が認められ, Classic modelの3要因に よるランのパフォーマンス説明率は 69.9%であ った.これらの結果は, 1)Classic modelの3要 因が総合的に優れることは, ODTにおける優れ たランのパフォーマンスに寄与すること,および 2)実際の ODTレースにおいては,先行するス イムおよびバイク中の運動強度,ペダル回転数お よび糖質摂取の個人間でのばらつきの影響を受け て,Classic modelの3要因とランのパフォーマン スとの関係が弱くなる可能性,を示している. 1. 対象者の競技レベル トライアスロンを対象とした研究において,男 性選手の競技レベルが「 elite(エリート)」と表 現される場合,対象となる ODTはエリートレベ ルでのみ適用されるドラフティング許可のレース であり,総合タイムはおおよそ 1:55:00未満であ る(Hoffmann et al., 2017).一方,「well trained(よ く訓練された)」や「 competitive(競争的な)」と 表現される場合,対象となる ODTの多くはドラ フティング不許可の一般レースであり,総合タイ ムは2:00:00―2:25:00 程度である( Hausswirth et al., 1997; Sleivert and Wenger, 1993).これよりも 総合タイムが劣っている場合には,「 recreational (レクリエーショナル)」と表現されることが多 い(Butts et al., 1991; Loftin et al., 1988).本研究 において対象としたレースはすべてドラフティン グ不許可の ODTレースであった.また対象者は, ODTレースの総合タイムが研究課題 Iのシーズ ンベストレースにおいて 2:14:36 ± 0:08:41であ り,これはインカレ予選および研究課題 IIのト ライアスロンテストにおける総合タイムと有意差 がなく,最小値および最大値はそれぞれ 2:02:56 および2:30:05であった.このことから,本研究 の知見は,幅広いレベルのトライアスロン選手が, ドラフティング不許可の ODTレースにおいて優 れたパフォーマンスをおさめるために有益となる 一方で,ドラフティング許可のレースに出場する エリートレベルの選手に対しては,その解釈に注 意が必要である. Figure 3 Relationships between run time of the triathlon test and each variable of classic model (study II). 0:30:00 0:40:00 0:50:00 1:00:00 170190210230250 r = 0.79 p = 0.02 0:30:00 0:40:00 0:50:00 1:00:00 60 70 80 90 r = -0.09 p = 0.83 0:30:00 0:40:00 0:50:00 1:00:00 45 55 65 75 r = -0.27 p = 0.51 VO 2max (ml/kg/min) %VO 2max at AT (%) ・ ・ Running economy (ml/kg/km) Run Time (h:min:s) Run Time (h:min:s) Run Time (h:min:s ) Triathlon test Figure 3 Relationships between run time of the triathlon test and each variable of classic model (study II).

824h6ò „ T 2. ランのパフォーマンスと Classic model の 3 è¦å› ã¨ã®é–¢ä¿‚ é•·è·é›¢èµ°ã‚’å¯¾è±¡ã¨ã—ãŸå ´åˆã«ãŠã‘ã‚‹ Classic modelの3è¦å› ã¨ãƒ‘ãƒ•ã‚©ãƒ¼ãƒžãƒ³ã‚¹ã¨ã®é–¢ä¿‚ã¯ï¼Œç·’ 言に記した通りであり,広範なパフォーマンスレ ãƒ™ãƒ«ã®ãƒ©ãƒ³ãƒŠãƒ¼ã®é›†å›£ã‚’å¯¾è±¡ã¨ã—ãŸå ´åˆã«ã¯ï¼Œä¸€ 般的にV 4 O 2maxが最も強いパフォーマンスの予測 å› å­ã¨ãªã‚‹ï¼ˆ Costill et al., 1973; di Prampero et al., 1986; McLaughlin et al., 2010).一 方,Slattery et al.(2006)は,トライアスロン選手のみで構成さ れる集団における単独の長距離走パフォーマンス ã‚’å¯¾è±¡ã¨ã—ãŸæ•°å°‘ãªã„ç ”ç©¶ã® 1つである.彼ら (Slattery et al., 2006)は,16 名の経験豊富な男性 トライアスロン選手を対象に, 3 kmタイムトラ イアルのパフォーマンス( CVが9.4%)と V 4 O 2max (CVが8.8%)との間に有意な相関関係が認めら れ,一方で RE(CV が7.2%)との間には有意な é–¢ä¿‚ãŒèªã‚ã‚‰ã‚Œãªã‹ã£ãŸã“ã¨ã‚’å ±å‘Šã—ã¦ã„ã‚‹ï¼Žã“ のことから,単独の長距離走においては,ランナ ーだけでなくトライアスロン選手でも,広範なパ ãƒ•ã‚©ãƒ¼ãƒžãƒ³ã‚¹ãƒ¬ãƒ™ãƒ«ã‚’å¯¾è±¡ã¨ã—ãŸå ´åˆã«ã¯ï¼Œä¸€èˆ¬ 的にV 4 O 2maxが最も強力なパフォーマンスの予測 å› å­ã¨ãªã‚‹ã¨è€ƒãˆã‚‰ã‚Œã‚‹ï¼Ž 一方,ODT レースにおけるランのパフォーマ ンスについては, V 4 O 2maxを中心に,単相関分析が いくつか行われている. V 4 O 2max(CVが10.7%以上) は,ランのパフォーマンス( CVが20.6%)との é–“ã«æœ‰æ„ãªç›¸é–¢é–¢ä¿‚ãŒå ±å‘Šã•ã‚Œã‚‹å ´åˆï¼ˆ Butts et al., 1991)もあれば,広範なパフォーマンス( CV が9.6%)を対象にしても,相関関係が認められ ãªã„å ´åˆï¼ˆSleivert and Wenger, 1993)もある.また, æœ¬ç ”ç©¶ã®ç ”ç©¶èª²é¡Œ Iにおいて,ランのパフォーマ ンスが広範におよぶにも関わらず( CVが8.8― 15.9%), V 4 O 2max(CVが9.2%)との間に有意な関 ä¿‚ãŒèªã‚ã‚‰ã‚Œãªã‹ã£ãŸï¼ŽåŠ ãˆã¦ï¼Œ % V 44 O 2max at AT ならびに RE(CV がそれぞれ 6.2および 6.7%) についても同様に相関関係がなかった.さらに, ランのパフォーマンスは Classic modelの3è¦å› ã§ã»ã¨ã‚“ã©èª¬æ˜Žã•ã‚Œãªã‹ã£ãŸï¼ˆèª¬æ˜ŽçŽ‡ã¯ 10.7%以 下).これは,長距離走を対象とした一般的な見 解とは異なる結果であるといえ,これには,実際 のODTレースにおけるランを対象としたことが 関係していると考えられる.ラン開始までの運動 ã«ãŠã‘ã‚‹æ§˜ã€…ãªè¦å› ï¼ˆé‹å‹•å¼·åº¦ï¼Œãƒšãƒ€ãƒ«å›žè»¢æ•°ã® 選択および糖質摂取など)を個人間で統制しない å ´åˆã«ã¯ï¼Œå„è¦å› ã®é«˜ä½Žã‚ã‚‹ã„ã¯å¤šå¯¡ã«å€‹äººé–“ã§ ã°ã‚‰ã¤ããŒç”Ÿã˜ã¦ã„ã‚‹ã“ã¨ãŒï¼Œå¤šãã®ç ”ç©¶ã§æŒ‡æ‘˜ されている( Bernard et al., 2009; Cox et al., 2010; Vercruyssen et al., 2002; Vleck et al., 2006).そして, ä¸Šè¨˜ã—ãŸè¦å› ã¯ï¼Œãã®å¾Œã®ãƒ©ãƒ³ã®ãƒ‘ãƒ•ã‚©ãƒ¼ãƒžãƒ³ã‚¹ にそれぞれ異なる影響を与える( Delextrat et al., 2003; Hausswirth et al., 2001; McGawley et al., 2012; Peeling et al., 2005; Suriano and Bishop, 2010a; Ver - cruyssen et al., 2002).例えば, Suriano and Bishop (2010a)は,サイクリングにおける運動強度を, 単独タイムトライアルにおける平均パワーの 81 ―85%,86―90%,91―96% および 96―100% の いずれかで行わせ,各条件間でサイクリング直後 のランニングパフォーマンスを比較した結果,サ イクリングの運動強度が高いほどランニングパフ ã‚©ãƒ¼ãƒžãƒ³ã‚¹ãŒä½Žããªã‚‹ã“ã¨ã‚’å ±å‘Šã—ã¦ã„ã‚‹ï¼Žæœ¬ç ” ç©¶ã®ç ”ç©¶èª²é¡Œ Iでは実際の ODTレースを対象と したため,ラン開始までの種目における運動強度, ペダル回転数および糖質摂取が個人間でばらつい ていること(Bernard et al., 2009; Cox et al., 2010), ãŠã‚ˆã³ï¼Œã“ã‚Œã«ã‚ˆã£ã¦å„è¦å› ãŒç›´å¾Œã®ãƒ©ãƒ³ã®ãƒ‘ãƒ• ォーマンスへ与える影響の程度にも個人間でば らつきが生じていることが予想される.これが Classic modelの3è¦å› ã¨ãƒ©ãƒ³ã®ãƒ‘ãƒ•ã‚©ãƒ¼ãƒžãƒ³ã‚¹ã¨ の関係に影響を与えたことで,両者の関係が弱く なった可能性が考えられる.しかしながら,ここ で述べた運動強度,ペダル回転数および糖質摂取 ã«ãŠã‘ã‚‹å€‹äººé–“ã§ã®ã°ã‚‰ã¤ãã¯ã‚ãã¾ã§å…ˆè¡Œç ”ç©¶ (Bernard et al., 2009; Cox et al., 2010)の結果に基 ã¥ãæŽ¨æ¸¬ã§ã‚ã‚Šï¼Œä»Šå¾Œã®ç ”ç©¶ã«ãŠã„ã¦æ¤œè¨Žã™ã¹ã 課題といえる. ãªãŠï¼Œç ”ç©¶èª²é¡Œ Iにおいては,インカレ予選と シーズンベストレースの 2種類を用いて分析し ãŸï¼Žæœ¬ç ”ç©¶ã¨é¡žä¼¼ã—ãŸãƒ‡ã‚¶ã‚¤ãƒ³ã®å…ˆè¡Œç ”ç©¶ã§ã¯ï¼Œ 同一のレースのみを用いた検討がほとんどであ る.ある 1つのレースを用いた検討は,レース環 境を揃えることができるという点で優れている.

Description

Examines how physiological factors affect running performance in triathletes.